脚本あるのか
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第一章
脚本あるのか
プロレスには脚本があるという、そしてレスラー達はその中でファイトをしていると言われているが。
「こいつ何十年言われてるんだ?」
「自分の主張全部論破されてんだ」
「それで自説曲げないってな」
「幾ら何でもおかしいだろ」
ある討論番組を視聴してだ、視聴者達は眉を顰めさせた。そこには大島旺子という女性学者がいた、長方形の顔に赤の茸頭に大きな口と厳めしい目にやけに縁の大きな眼鏡をかけている。
その彼女がムキになって主張して周りによってたかって論破されるのを見てだ、彼等は心から思った。
「普通一回論破されてわかるだろ」
「他の参加者全員から言われてだしな」
「それもよってたかってな」
「何処がどうおかしいか根拠も出されて」
「事実はどうかってな」
「それで論破されてだからな」
だからだというのだ。
「普通わかるよな」
「最初でな」
「自分の言ってることが間違ってないか」
「振り返るだろ」
「しかもこいつ学者だぞ」
彼女の職業のことも話された。
「学者だったら事実突き止めるだろ」
「自分から学んでな」
「そうする筈なのにな」
「こいつそういうのないしな」
「本当に学者か?」
「学者じゃなくても何十年も言われてるんだぞ」
「同じこと論破されてな」
「それもこうした番組に出る度にな」
常にというのだ。
「周りからよってたかって」
「徹底的に論破されてるだろ」
「事実はこうだって」
「本当に普通最初でおかしいかもって思うぞ」
「どんなわからん奴も何度目かで思うだろ」
「それが何十年だぞ」
「どう考えてもおかしいぞ」
大島、彼女はというのだ。
「何十年同じこと言われてわからないってな」
「それも周りから何かの番組に出る度に言われて」
「殆ど自分だけの意見でな」
「しかも学者だしな」
「それで新たに学ぼうとしないとかな」
「幾ら何でもないんじゃないか?」
流石にというのだ。
「実際はわかってるんじゃないのか」
「自分の言ってることがおかしいって」
「何十年も言われてわからないって有り得ないしな」
「ひょっとして芝居じゃないのか?」
「こいつ出ている番組はどれも脚本あるんじゃないか?」
「それでこいつそういう役を演じてないか?」
「さもないとおかしいだろ」
それこそというのだ。
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