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八条学園騒動記

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第七百十三話 ドクガエルその十三

「スターリンは人間性なぞだ」
「ベリヤを用いた独裁者はですね」
「考慮しなかった」
「ただ能力だけを見ていましたね」 
 そしてベリヤの悪事を知っていても黙認していたのだ。
「そうでしたね」
「そうだった、だがな」
「それが失敗でしたね」
「あの様な輩を用いる組織はそれ自体がだ」
「おかしくなっていますね」
「そもそもスターリン自体がおかしかったしな」
 精神的な病、パラノイヤや強迫観念を抱えていたという。
「もうな」
「ベリヤを用いましたね」
「そしてそうした国家だったからな」
「あの様に滅びましたね」
「そうなった、無能な働き者は用いていいが」
「屑は用いるべきではない」
「人格的にどうにもならない輩はな」
 大尉は言った。
「腐り果てた、何をしても救われない様な」
「どの様な思想や宗教でも」
「その様な輩はだ」
「用いてはならないですね」
「そうだ」
 絶対にというのだ。
「そして柳田算数もな」
「そうした輩ですね」
「これ以上はないまでに下らない才能を発揮しているが」
「その人格もですね」
「そんな才能を発揮するなぞ碌でもない」
 そもそもというのだ。
「そして信仰もな」
「持つ筈がなく」
「何も変わらない」
 全くというのだ。
「逆にあれやこれやと科学がどうとか言ってな」
「現代の科学で」
「無理に否定しようとするだけだ、いいものにはだ」
「決して近づけないですね」
「そんな輩も屑だ、屑はな」
「用いてはならない」
「そういうことだ、ただこうした屑は何処でもいる」
 連合に限らずというのだ。
「そのこともだ」
「覚えておくことですね」
「敵を嗤う前に自分達を見るのだ」
「敵の悪い部分が自分達にないか」
「そして悪い部分はあらためることだ」
 こう言うのだった、そのうえでオオサンショウオ達を観るのだった。そしてヤドクガエル達もそうしていた。


ドクガエル   完


                 2023・4・24 
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