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ハッピークローバー

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第九十二話 酷い親戚がいないことその三

「子供は親の背中を見て育つ?」
「それとね」
「それと?」
「子育てをすることもね」 
 このこともというのだ。
「ある程度の人でないとね」
「出来ないのね」
「お母さんもお父さんも実感してるわ」
 こうもだ、一華に話した。
「あんたが生まれてからね」
「実感って何を?」
「だから。親になってよ」
「それでなの」
「親ってのはよ」
「ある程度のものがないとなの」
「出来ないの、あんたを無事に育てられているか」
 このことはというのだ。
「全くよ」
「自信ないとか?」
「ないわよ」
「そうなの」
「今話している人なんか」
「子育て出来てないわね」
「生まれてから亡くなるまで八十年近くよ」
 それこそというのだ。
「ずっとね」
「そんな風だったの」
「みたいよ、成長なんてね」
 人減としてのそれはというのだ。
「全くよ」
「しなかったの」
「性質の悪い子供がそのままよ」
「歳だけ重ねたのね」
「そんな人が子育てなんてね」 
 一華に真剣な顔で話した。
「それこそね」
「出来ないのね」
「それでね」
「実際に出来なかったのね」
「そうよ、他にもいるでしょ」
 今話している輩以外にもというのだ。
「毒親っていうでしょ」
「ああ、育児放棄とか虐待とか」
「そんなことする人はね」
 それこそというのだ。
「もうね」
「子育てなんて出来ないのね」
「出来ないからよ」
「そうしたことするのね」
「ちなみにこの人気に入らないことがあったら」
 その時はというと。
「家のお金全部持って家出よ」
「お金まで?」
「家族を苦しめてやろうと考えてね」
「私だったらその時点で家から叩き出すわよ」 
 一華は心から言った。
「そんなことしたら」
「お母さんだってそうよ」
「そこで使った分全部タコ部屋に入れてでも返させてね」
「そうよね、けれどね」
「その人そんなこと繰り返したの」
「それで親戚の誰かの仲裁で帰る」
「そんなこと繰り返してたのね」
 一華は嫌そうに述べた。
「本当に性悪の子供がそのままお婆さんになった」
「そんな人だったのよ」
「それでそんな人が子供作って」
「甘やかすばかりでね」
「もう一人どうしようもないの作ったのね」
「そうよ、そうはよ」
 絶対に、そんな言葉だった。 
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