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イベリス

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第百十三話 本格的な秋その九

「理事長さんのご一家の人達が信者さんの天理教の教会の」
「あそこにいた人ね」
「あの図々しくて尊大で働かなくて不平不満ばかりで人の家にお邪魔しますも言わないで上がり込んで大飯食べて本漁るね」
「そんな人が大人か」
「何か叔父さんに注意されて掴みかかったり殴ってやろうかとか言ったり」
「もう只のドキュン?」
 同級生も眉を顰めさせて言った。
「それって」
「そんな人が大人か」
 咲は同級生に問う様にして言った。
「どうかしら」
「違うわね」
 同級生もそれはと返した。
「やっぱりね」
「そうよね」
「もうそこまでいったら」
 それこそというのだ。
「最悪のね」
「ドキュンでね」
「大人じゃないわね」
「もう悪い意味で子供よね」
「その人のことこっちでも有名だから私も知ってるわ」
 同級生は眉を顰めさせたまま咲に話した。
「五十過ぎでそれだったのよね」
「そうみたいね」
「ずっとまともにお仕事しないで」
「奥さんに食べさせてもらってね」
「家族なのに相談とか話を聞くこともしないで」
「旅行に行こうかって言われても行かないでね」 
 咲も言った。
「旅行嫌いらしくて」
「働いてないから行けばいいのにね」
「それでお料理も作らないで」
「家事もまともにしないで」
「偉そうに言うだけでね」
「奥さんがお仕事から帰って作ったお料理も文句ばかりで」
「美味しいって言わなくて」 
 二人でさらに話していった。
「何しても感謝しなくて」
「奥さんもいい加減愛想尽かして出て行ったら」
「爪切りまで持って行ったってね」
「いや、爪切り位で言う?」
 同級生はそれはないと首を傾げさせて言った。
「小さいでしょ」
「というか爪切りまでお世話になっていたのよね」
「そんな甲斐性なしで感謝もしないでね」
「人に言う無神経さって」
「ないわね」
「幼稚過ぎるわね」
「しかも親戚の人のお葬式の後のお食事会で家族でもないのに上座に上がったとか」
 咲にこのことも話した。
「人の為に一円も使わないで自分の服とか煙草はいいもので」
「そんな風で大人か」
「甘やかされた子供が年取っただけでしょ」
「そうよね、大人ってね」 
 咲はまさにという口調で述べた。
「違うでしょ」
「二十歳になっただけじゃないわね」
「こんな人は大人じゃなくいわよ」
「年取っただけの子供ね」
「ネットでガキ親父って言葉見たけれど」
「その人はそんな人ね」
「絶対にね、何か今生活保護で生きてるらしいけれど」 
 その人の聞いた話をさらにした。
「正直こんな人はね」
「生活保護認めて欲しくないわね」
「どうせ生きても誰の役にも立たないし」
「そうしようとも思わないし」
「感謝もしないでふんぞり返ってるだけ」
「そんなガキ親父に税金使って欲しくないわね」
 同級生も言った、生活保護も国民の税金から出ている。そうしてそれを受けるべき人に渡されるのが本来の目的である。 
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