ドリトル先生の落語
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第二幕その三
「避けなくてはいけないよ」
「むしろ好かれることですね」
「そういうことだよ」
「笑わせる、好かれる」
「お笑いは実はね」
「厳しい道でもありますね」
「そうなんだ、本物のね」
まさにというのです。
「お笑い芸人はね」
「しっかりした人ですね」
「ただ昔の芸人さんは破滅的な人生もね」
「送ってきた人もいますね」
「何でも芸の肥やしと言って」
そうしてというのです。
「遊んでお金の使い方もね」
「滅茶苦茶で」
「それで破滅的な人生を歩んだ人もね」
「いたんですね」
「横山やすしさんとかね」
先生は残念そうにこの人のお名前を出しました。
「あの人のお笑いは凄かったけれど」
「破天荒に生きて」
「そして問題もね」
「かなり起こしましたね」
「そうした人もいたよ」
かつてはというのです。
「肝硬変になってドクターストップかかっても」
「それでもまだ飲んで」
「漫才も出来なくなっていたけれど」
最後の方はです。
「それでもそうした生活で」
「確か五十歳位で」
「今それ位だと若いけれど」
「亡くなってしまいましたね」
「うん、こうした人もいたんだ」
「昔のお笑いの人は」
「藤山寛美さんも借金かなりあったしね」
この人もというのです。
「昔の芸人さんはね」
「破天荒な人もおられましたね」
「そうだったよ」
こう言うのでした。
「昔の日本はね」
「ううん、けれどね」
ガブガブはここで言いました。
「横山やすしさんとか何処か憎めないね」
「近くにいたら大変だと思うけれど」
チーチーも言います。
「確かに憎めないね」
「破天荒で滅茶苦茶でも」
トートーは思いました。
「いなくなったら寂しい人だね」
「動物園の猛獣みたいな感じかしら」
こう言ったのはダブダブでした。
「遠くで観るべき人ね」
「けれど遠くから観ていても」
「面白くてね」
オシツオサレツも二つの頭で言います。
「そして憎めない」
「何処か暖かさもあって」
「実際そうした人の目って暖かいよ」
ホワイティはお顔のそこを言いました。
「お笑いやる時も笑っていてね」
「お笑いに真剣で必死で」
ジップも言いました。
「命を賭けてるって感じでね」
「そうした人なら」
ポリネシアは思いました。
「確かに憎めないわね」
「昔のお笑い芸人さんってそうだったんだね」
老馬の言葉はしみじみとしたものでした。
「私生活は破天荒でも憎めなかったんだ」
「けれど今はね」
「どうも違うのよね」
チープサイドの家族は昔から今を思いました。
「お笑いに真剣じゃない人がいて」
「目も笑ってなくて」
「そうだね、昔と今じゃお笑いは違っても」
先生はスマートフォンの動画を観つつ皆にお話しました。
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