超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第四百十一話 混乱 その5
第四百十一話 混乱 その5
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。
山から脱走した木藤の足止めに成功した尻澤エリコ、加藤モトヒロ、上松サトツ、理由地エルの4人。
尻澤エリコは石川ユニを救うために、木藤リョウに山への帰還と石川ユニとセッ●スしていないとのウソの証言を倉都テツオにすることを要求する。
しかし、自分の命が惜しい木藤リョウは山への登山とウソの証言を拒否、正論を用いて4人に今すぐ、ここから逃げるように誘惑する。
しかし、もはやどこにも居場所がないことを自覚している尻澤エリコが、銃を木藤リョウに向けて、脅迫する。
その脅迫内容は、山への帰還と石川ユニとセッ●スしていないとのウソの証言を倉都テツオにすること、だった。
つまり、尻澤エリコの要求を受け入れない場合、木藤リョウに待っている未来は、尻澤エリコ銃殺される未来。
尻澤エリコはリュックから取り出した銃を、木藤リョウに向ける。
「お願いです...私の言うとおりにしてください...でないと撃ちます...!」
非好戦的ば尻澤エリコの珍しい姿に、他の3人は戦慄していた。
両手を挙げて、怯える木藤リョウ。
「お、おい、勘弁してくれよ...お、大きな声出すぞ...‼」
「そうすれば、あなたも私たちと一緒にケーサツに捕まることになりますよ‼」
「ちっ、結局、俺に逃げ道は残されてねぇってことか...なぁ、お前らよぉ...俺たちが今まで戦ってきたのはなんだ?自由のためだろ?今、お前たちは自由なのか?ケーサツと紅軍連合の暴力に怯えて、倉都テツオの言いなりになっているお前たちは自由なのか?」
「な、なにが言いたいんですか?」
「俺も、お前ら4人も立場は違えど、同じって事さ、ケーサツの目におびえ、紅軍連合の暴力におびえ、結局、人なんてどいつもこいつもそんなもんさ、『正しいこと』なんて、所詮、多数決でしか決められねぇ...俺はそんな世の中を変えたくて紅軍連合に参加したんだ、でも結果はこのざまだ、お前たち紅軍連合のやっていることは所詮、数の暴力さ、セージカ、ケーサツ、BEI軍どもとやっていることは同じだ、だからさ、俺は気付いたんだ、このまま革命活動をしていいても、所詮はどんぐりの背比べだってな、そんなのくだらねぇだろ?だから俺は山を下りた」
「だから...なんですか?私の言っていること、理解できてますか?」
「ああ、わかってるさ、でも俺はお前たちに殺されるつもりもないし、山に登って石川ユニを救うためにウソの証言をするつもりもない、俺の答えはコレだ...‼」
木藤リョウは上着のポケットから取り出した銃を、自らのこめかみに当てる。
「いいか?よく見とけよ、この銃の引き金を引いた先に待っている俺の姿が、お前たち4人に待っている未来だ、俺みたいになりたくなかったら、今すぐ紅軍連合をやめろ!紅軍連合の革命活動で変えられる未来なんてねぇ‼多数決でなんでもかんでも決まっちまう世界は変えられねぇ‼この世に生まれてきちまった命は全て、多数決でなんでも決まっちまうクソみたいなルールに敗北する未来しか待ってねぇのさ‼あばよ‼負け犬ども」
パァァァァンッ‼
路地裏に銃声が鳴り響く。
そう、木藤リョウが拳銃自殺したのだ。
これで4人に残された選択肢は一つだけ。
山に帰り、木藤が石川とセッ●スしてしまった事実を倉都テツオに伝えること。
死人に口なしと言うが、4人が倉都テツオにウソをつけば、ウソがバレた場合、今度は4人が『自己反省』と称した拷問を受けることになってしまう。
つまり、紅軍連合に殺されるということだ。
銃声のせいで、もうすぐ、ここにケーサツが集まってくるだろう。
4人は急いで、木藤の死体から離れ、ヴァサマ山へと向かった。
4人のうちの一人、理由地エルが携帯電話で倉都テツオに告げる。
「どうやら、石川ユニと裏切り者の木藤がセッ●スしたのは事実らしいです...」
『了解した、ではこちらは石川ユニの自己反省を始める』
通話が一方的に切られる。
携帯電話から漏れ聞こえていた倉都テツオの声を、尻澤エリコは聞いてしまっていた。
山を登りながら尻澤はずっと泣き続けていた。
次回予告 侮辱 その1
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに
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