妊娠した姉のスタイル

　　　　　　　　　　　　　　　　妊娠した姉のスタイル
　久し振りに会った姉の今川古奈美を見てだった。
　ＯＬをしている工藤弘子はすぐに眉を曇らせて言った。茶色がかった髪の毛をショートにしていて切れ長の小さめの鋭い二重の目で眉と赤い唇は小さく顔は小さく丸い感じだ。背は一六四位でメリハリの利いたスタイルである。
「お姉ちゃんちょっとね」
「今妊娠しててね」
「それはわかるけれど」
　姉の大きな腹部を見て答えた、姉は波がかった茶色がかった髪の毛を長く伸ばし大きな切れ長のはっきりとした奥二重の目で赤い唇と眉は小さい。顔は卵型で妹より一センチ位高く今はそうしたスタイルだ。
「ただそれを差し引いてもね」
「太った？」
「妊娠する前と比べてね」　
　こう姉に言うのだった。
「だから出産したら」
「ダイエットね」
「それが必要よ」
「いや、妊娠したらね」
　姉はそうしたらと妹に話した。
「やっぱり動かなくて」
「赤ちゃんを大事にしないとね」
「それでうんと食べるから」
「赤ちゃんの為に」
「ちょっと油断したらね」
「太るのね」
「余分にね」
　そうなるというのだ。
「それを実感してるわ」
「ある程度なら太っていいにしても」
　妹は真面目な顔で述べた。
「健康に影響しない位でね」
「収めないとね」
「だからね」
　それでというのだった。
「お姉ちゃんもね」
「出産したら」
「気をつけてね」
「出産したらダイエットするわね」
「そうしてね」　
　姉に真剣な顔で言った、そして姉は出産するとだった。
　すぐに育児をしつつダイエットに励んだ、カロリーは程々にしてよく歩いて水泳もはじめた。するとだった。
「元に戻ったわね」
「ええ、この通りね」　
　姉は夫との間に生まれた息子を抱きつつ答えた。
「戻れたわ」
「それは何よりね」
「いや、本当に妊娠したら」
「ちょっと油断したら」
「太るわね」
「そうなるのね」
「だからあんたもね」
　今度は姉の方から言った。
「今度結婚するんでしょ」
「ええ、もうお父さんとお母さんには紹介したわ」
　その相手をとだ、妹も答えた。
「そうしたわ」
「それで妊娠したら」
「今度は私がよね」
「そう、注意して」
　そしてというのだ。
「食べていってね」
「そうしていくわね」
「自分がそうなって」
　そしてというのだ。
「実感したし」
「それに私は言った手前」
「自分もなったら嫌でしょ」
「ええ、じゃあ妊娠したら」
　その時はと言うのだった。
「気を付けるわ」
「そうしてね」
「ええ、そのうえで」
　さらに言うのだった。
「元気な子をね」
「産むことね」
「そうしてね」
「そうするわね、しかし今思ったけれど」
　妹は考える顔でこうも言った。