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八条学園騒動記

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第七百十三話 ドクガエルその三

「蛙も日本ではよくな」
「妖怪にもですか」
「なるのだ」
「そうなのですね」
「森羅万象に神がいる国ならば」
 それならというのだ。
「妖怪もな」
「森羅万象にですか」
「存在しているというかな」
「妖怪になるのですね」
「そうなのだ」
「そうした国ですか」
「連合ひいてはな」
 大尉はさらに言った。
「私達が今いる」
「日本は」
「あらゆるものが妖怪となる」
「そうした国なのだ」
「生きものも物も」
「そうなのだ」
「そう思うと面白い国ですね」
 上等兵も言った。
「日本は」
「実にな、それでオオサンショウオも蛙もな」
 両生類のこうした生きもの達もというのだ。
「妖怪になる、また人に化けることもだ」
「ありますか」
「これまた連合ではよくある話だ」
「生きものや物が人に化ける」
「それで日本でもな」
「そうした話が多いのですね」
「日本はあらゆる生きものが化ける」
 即ち変化になるというのだ、妖怪変化という言葉はこの時代においても普通に用いられているものの一つなのだ。
「物もな」
「まさに全てが」
「そうだ、だから蛙もな」
「人に化けるのですね」
「一番話が多いのは狐や狸だがな」
 それでもというのだ。
「両生類もだ」
「人間に化けますか」
「巨大にもなったりな」
「大きくなるのはあれですね」
 上等兵はそれがどうしてか察して話した。
「歳を経て」
「そうだ、何百年も生きてな」
「巨大になりますね」
「そして妖力も備えてな」
「妖怪になり」
「また人にも化ける様になるのだ」 
 妖力を備えてというのだ。
「そうなるのだ」
「連合ではそうなりますか」
「付喪神と同じくな」
「長く生きるとそうなる」
「付喪神は意志を持ち動く様になるが」
「生きものなのでそれは最初からですね」
「そこは違うがな」 
 付喪神、物がなるそれとはというのだ。
「しかしな」
「妖怪になるのは同じですね」
「そして人に化けることもな。若しかするとだ」
 大尉は周りを目で見回してから上等兵に話した。
「私達がこれまで擦れ違った人達の中にもな」
「生きものや物が化けている」
「実はそうであった人がいたかも知れない」
「そうなのですね」
「そうした国でもある」
「連合は」
「そうなのだ」
 まさにというのだ。
「人も生きものも物もな」
「全て共にありますか」
「妖怪までもがな」
「不思議ですね」
「エウロパではないな」
「妖精もです」
 そう呼ばれる存在もとだ、上等兵は答えた。 
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