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X ーthe another storyー

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第三十一話 墓参その五

「いい方が多いから」
「僕もですね」
「貴方も人間だから」
 それ故にというのだ。
「そう思うことがね」
「普通ですか」
「そうよ、ずっと一人でどうだったかしら」
「やはり寂しかったですね。少しの間でも」
 星史郎は三人、あの姉弟と共にいる時を思い出してだった。そのうえで庚に顔を向けてそうして話した。
「一緒にいてその時は」
「よかったのね」
「今思いますと」
「そうよね、ではね」
「今はですね」
「私達とね」
「一緒にいていいですね」
「ええ、そしてね」 
 それでというのだった。
「これからもね」
「こうしたお店で、ですね」
「楽しみましょう」
「是非、しかしです」
 封真は今はシフォンケーキを食べつつ言った。
「星史郎さんは色々こうしたお店を知ってますね」
「好きですから」
「甘いものが」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「他にもです」
「ご存知ですか」
「何でしたら知っているお店を全てです」
「教えてくれますか」
「そうさせてもらいますが」
「お願いします」 
 是非にとだ、封真は星史郎に応えた。
「そして一緒にです」
「行きますか」
「そうしましょう」
「いいな、俺にも教えてくれ」 
 草薙も微笑んで言ってきた。
「俺も好きだからな」
「甘いものがですね」
「ああ、こんな身体と顔だからな」
 それでというのだ。
「大酒飲みだって思われるけれどな」
「実はですね」
「酒も飲むけれどな」
 それと共にというのだ。
「甘いものもな」
「お好きですか」
「ああ、だからな」 
 それでというのだ。
「俺もな」
「僕が知っているお店をですね」
「是非な」
「それでは」
「宜しく頼むな」
「それでは」
「僕も今度です」 
 哪吒も言ってきた。
「教えて欲しいです、そして」
「僕達と一緒にですか」
「行って。そして」
 それにというのだった。
「お祖父様ともです」
「行かれますか」
「お家ではよく一緒にいまして」
「お話もですか」
「していて一緒に食べることもです」
 食事もというのだ。
「していまして」
「それで、ですか」
「はい」
 こう話すのだった。 
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