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第九十一話 夏休みも終わりになってきてその一

                第九十一話  夏休みも終わりになってきて
 一華はこの時自宅で予習と復習をしていた、二学期に向けてそうしていたがここで家のチャイムが鳴ってだ。
 かな恵が来てだ、こう言われた。
「ちょっとこっちにいていい?」
「ちょっと勉強してるけど」
 一華は玄関で口をややへの字にさせて言った。
「まあ中にいてもね」
「いいの」
「別の部屋でゲームする位ならね」
「そうなのね」
「というかどうしたのよ」
「いや、明男に家追い出されたのよ」
 かな恵は笑って話した。
「クラスの皆が来るからって」
「暫くどっかに行けって言われたのね」
「何でもね」
 一華に笑って話した。
「私がいたら皆に刺激が強過ぎるって」
「ああ、わかるわ」
 かな恵の青のティーシャツから出ている旨を見て言った。
「それだとね」
「このおっぱいと足が駄目って言われたわ」
「足もね」
 見れば白いひらひらしたミニスカートを穿いている、夏なので素足だ。
「それだとね」
「これから勉強なのに」
「刺激が強過ぎるって言われて」
「それでね」
「追い出されてなのね」
「何処に行こうかと思ったけれど」
「うちに来たのね」
 かな恵に目を向けて言った。
「というかお部屋にいたらいいと思うけれど」
「私のね」
「どうせあれでしょ」
 一華は今度は冷めた様にして言った。
「お酒飲むつもりよ」
「ああ、それでなの」
「かな恵がいたらね」
「それがばれるんじゃないかって思って」
「それでよ、皆袋持ってたでしょ」
「お買いもののね」
「それだとね」
「その中になのね」
「缶ビールとか入ってて」
 それでというのだ。
「明男君のお部屋で集まってね」
「飲むつもりね」
「そうでしょ、この団地八条町と同じだから」
「十五歳から飲めるし」
「中三ならね」
「十五だし」
「飲むのよ」
「それだと私いてもいいわよね」 
 かな恵は一華の話をここまで聞いて考える顔になって言った。
「そうよね」
「いや、中にはよ」
 明男と彼の友人達のというのだ。
「まだ十四の子もいるでしょ」
「お誕生日まだで」
「それで、でしょ」
「ばれたらまずいって思って」
「八条町以外じゃ十九でもね」
 この年齢でもというのだ。
「飲んだら駄目だしね」
「二十歳からだから」
「そこはよ」
「明男達も気を付けてるのね」
「そうでしょ、明男君も」
 その彼もというのだ。
「どうなの?」
「お誕生日十月よ」
「だったらね」 
「まだなのね」
「かな恵それ知ってるでしょ」
 姉である彼女ならというのだ。 
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