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X ーthe another storyー

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第三十話 勇気その十三

「そうしています」
「そうなのか」
「はい、離れていた時も」 
 ある少年今は青年になっている彼のことも思い出した、そのうえで草薙の言葉に対して答えるのだった。
「毎月密かにです」
「参っていたんだな」
「そうしていました」
「そうか、わかった」
 草薙はここまで聞いて微笑んで言った。
「事情がな」
「といいますと」
「色々な、あんたのこともな」
「僕のこともですか」
「ああ、それでよかったらな」
 草薙は星史郎に優しい声で話した。
「俺達も一緒に行っていいかい?」
「僕のお墓参りにですか」
「そうしていいか?」
「別に構いませんが」
 星史郎は草薙に少し意外といった顔で応えた。
「ですが何もないですよ」
「お墓だからか」
「はい、僕もただです」
 星史郎はさらに言った。
「お墓をお掃除しまして」
「お鼻を捧げるな」
「それ位ですが。お線香もあげて」
「それがいいんだよ」
 草薙は優しい笑顔で答えた。
「何もない様なことでもな」
「それでもですか」
「ああ、だからな」
「皆さんもですか」
「いいかい?」
 一緒にというのだ。
「墓参りさせてくれるか」
「いいですね」 
 封真は草薙の提案に笑顔で応えた。
「俺も行きます」
「封真君もですか」
「ええ、俺もわかった気がします」
 星史郎に顔を向けて答えた。
「今のお話で星史郎さんのことが」
「だからですか」
「それで俺もです」
「一緒にですか」
「行かせて下さい」
「僕もお願いします、何かです」
 哪吒も言ってきた。
「何となくですが」
「僕のことがわかったのですか」
「そう思いますから」
 だからだというのだ。
「星史郎さんのお墓参りにです」
「来て頂けますか」
「ご一緒させて下さい」
 こう言うのだった。
「是非」
「いいですね」 
 遊人も言ってきた。
「皆で行きましょう」
「そうね、私も行かせてもらうわ」
 遊人に庚も続いた。
「そうさせてもらうわ」
「いいですよね」
「ええ、私もわかったしね」
「星史郎さんのことがですね」
「今のお話でね」
 それでというのだ。
「わかったしね」
「それでは」
「一緒にね」
「行きましょう」
「何かね」
 颯姫は最後に言った。 
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