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ハッピークローバー

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第九十話 欲情の自覚その八

「けれどね」
「あっちですね」
「お腹とかにかかるならいいのよ」
 これはというのだ。
「拭けばいいし」
「そうして終わりですね」
「そうしたDVDとかじゃお顔にかけるってあるけれど」
 昔はビデオであった、それが時代と共に変わったのだ。
「これは私としてはアウトよ」
「何か漫画でもよくありますよね」 
 かな恵は弟が持っているそうした漫画雑誌から答えた。
「そうですよね」
「けれどね、私としてはね」
「お顔にかかるのはですか」
「アウトよ、髪の毛とかにもかかると」 
 そうなる場合もだ、店長は話した。
「嫌だしね」
「髪の毛にもかかります?」」
「お顔にかかるってなるとわかるでしょ」
「お顔の傍にあるので。髪の毛って」
「そうなるわ、けれど私としてはね」
「お顔や髪の毛はアウトなんですね」
「お腹とか胸ならいいけれど」
 それでもというのだ。
「そっちは駄目よ、それで中だと」
「けれどそれが本来は」
 富美子はこの現実の話をした。
「そうしないと駄目ですね」
「子供が出来るにはね」
「そうですよね」
「けれど私まだ結婚もしてないし作る気もね」
 こちらもというのだ。
「ないし後で溢れ出て来るのよ」
「中に、ですと」
「それで下着汚したりするのよ」
「そうなんですね」
「だからね」
 そうした事情があるからだというのだ。
「結構面倒なのよ」
「そのままは」
「ゴムだとゴムの中に出すから」
「あっ、それで終わりですね」
 留奈はここでわかって頷いた、五人共もう水着ではなく服を着ている。もっと言えば水着も着替えて服の下は普通の下着である。
「ゴムを処理したら」
「これだと手早いでしょ」
「そうですね、確かに」
「それで衛生的だし」
「ゴムのことはですか」
「ちゃんとよ」 
 こう留奈に言うのだった。
「使い方はわかることよ」
「そうしたことからもですね」
「ええ、ゴムはあるといいのよ」
「色々な理由があるんですね」
「というかエイズが有名だけれどね」 
 店長は顔を顰めさせてこんな話もした。
「梅毒も怖いわよ」
「あれ死にますよね」
 富美子は梅毒と聞いてすぐに言った。
「そのままだと」
「死ぬわよ」 
 店長は一言で答えた。
「実際に」
「そうですよね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「頭がおかしくなったりお鼻落ちたり身体腐ってね」
「あちこちに斑点が出来て」
「脊髄とかおかしくなって髪の毛も抜けてね」
「目や耳がおかしくなったり」
「ベートーベンの耳が聞こえなくなったこともね」
 あまりにも有名なこのこともというのだ。 
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