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星河の覇皇

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第八十四部第四章 続く会談その三十

「もう私が何かすると」
「その時は、ですね」
「もうですね」
「あの国と戦う」
「それはですね」
「どうしようもないですね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「外務省と内務省があそこまでだとね」
「もうですね」
「我々も何もしませんね」
「首相も」
「ご覧になられるだけですね」
「ええ、あそこまでいがみ合っていると」
 それならというのだ。
「何もすることがなかったわ、けれど」
「今の内務省と外務省はですね」
「確かに感情的な対抗心はあるでしょうが」
「それでもですね」
「対立するまでのものではない」
「それは避けていますね」
「ええ、それだけの知恵がね」
 それがというのだ。
「彼等の鎧で」
「だからですね」
「それ故にですね」
「我々もですね」
「仕掛けるにしても」
「難しいですね」
「出来るなら仕掛けたいわ」
 伊東はその本音も述べた。
「そして実際に仕掛けるわ」
「それで、ですね」
「出来る限り乱そうとする」
「そうしますね」
「絶対に」
「そうするわ、難しくても」
 それでもというのだ。
「いいわね」
「わかりました」
「それではです」
「今から仕掛けましょう」
「そうしましょう」
「ええ、全知全能を使ってね」
 そのうえでというのだ。
「敵は乱すわ、難しいことであっても仕掛けないとね」
「敵は動かないですね」
「そして乱れないですね」
「だからこそですね」
「仕掛けますね」
「そうするわ、そして何としてもね」
 絶対にというのだ。
「仕掛けるわよ、多少でも動揺すればね」
「その分ですね」
「その分乱れますね」
「だからですね」
「そこを衝ける様にしますね」
「ええ、蟻の一穴が堤を壊すとも言うわね」 
 伊東はまたしても諺を出した、今度出したのはこの諺だった。それを出してそうして言うのであった。
「時として僅かな乱れがね」
「それがですね」
「我等の衝きどころとなる」
「そうなっていく」
「だからこそですね」
「仕掛けるわ、そして勝つわ」
 中央政府、彼等にというのだ。
「我々の権益を手に入れるわよ」
「左様ですね」
「それが我々の目的です」
「その目的の為にですね」
「我々は動いていきますね」
「そうするわ、汗をかく者はそのかいた汗の分だけのものを得られる」
 伊東はこの言葉をここで出した。 
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