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新オズのリンキティンク

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第十二幕その十一

「落語か漫才をな」
「されますか」
「落語は一人で出来るが」 
「漫才は二人ですね」
「基本な、そちらはどうするか」
「それなら相方がもういますよ」
 王子は満面の笑顔で言ってきました。
「漫才をされるなら」
「若しやそれは」
「そう、僕です」
 こう答えるのでした。
「それは」
「それをしてくれるか」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「安心してです」
「漫才をしてよいか」
「一緒にしましょう、僕もです」
 王子としてもというのです。
「王様と一緒に漫才が出来るなら」
「嬉しいか」
「そうですから」 
 それ故にというのです。
「王様さえよければ」
「一緒にじゃな」
「漫才をしましょう」
「それではな」
「うむ、わしも漫才をするぞ」
 秀吉さんも言ってきました。
「ねねとな」
「お主達は夫婦漫才じゃな」
「そうじゃ、そんな話もしたな」
「そうであったな」
「わし等もお笑いが好きでな」
「自分達でもやっておるな」
「それでじゃ」
 秀吉さんはさらにお話しました。
「このお花見ではな」
「お主達も催しに参加してか」
「夫婦円満の夫婦漫才をじゃ」
 まさにそれをというのです。
「見せるぞ」
「ではな」
「まあしょっちゅう言い合うけどね」
 ねねさんが言ってきました。
「あたし達は」
「そこでそれを言うか」
「言うよ、本当のことだからね」
 それでとです、秀吉さんに言います。
「言うよ」
「全く、それを言われるとな」
「困るかい?」
「ここではな、まあ確かにいつもじゃな」
「あたし達は言い合うね」
「何かとな」
 それこそとうのです。
「それも言い合うとじゃ」
「尾張の言葉丸出しでね」
「そうなるのう」
「何じゃ、お主達まだその言葉か」 
 信長さんは大好物の焼き味噌を食べつつご夫婦に言いました。
「言い合いの時に出るのは」
「どうもこの街の言葉でなく」 
 秀吉さんは右手を頭の後ろにやって照れ臭そうに答えました。
「出るのはです」
「であるか」
「そうです」
「まあわしもな」
「何かあるとですな」
「出るのはな」
 その言葉はといいますと。
「尾張の言葉じゃ」
「外の世界で言う名古屋弁ですな」
「それじゃ、それでじゃ」
 その為にというのです。
「ここのものも美味いと思うが」
「最もよいものは」
「きし麺に味噌カツ、海老に鶏料理にな」
「モーニングにですな」
「鉄板のナポリタンじゃ」
「それに味噌煮込みうどんですな」
「ういろうもな」 
 こうしたものが好きだというのだ。 
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