星河の覇皇
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第八十四部第四章 続く会談その二十一
「あの方は」
「強い酒をな」
トルコの地酒をだ。
「よく飲んでいた」
「職務の後で」
「それも肴なしにな」
「それもよくないです」
「共に食べるものがないとな」
「アルコールの衝撃がです」
それがというのだ。
「直接です」
「胃に行くな」
「そして身体全体にも」
まさにというのだ。
「ですから」
「よくはないな」
「はい、そうした暮らしを送っていて」
「彼は五十代で死んだ」
この時代の連合では恐ろしく早死にとなる。
「若くしてな」
「当時は普通の年齢でしたね」
「しかし志半ばでな」
「そうでしたね」
「その様にならない為にか」
「はい、あなたはです」
「深酒はだな」
アルギエーリは妻の言いたいことを理解しつつ述べた。
「控えるべきだな」
「そうされて下さい」
「よき伴侶はよき幸せの源である」
ここで妻を見て話した。
「そうだな」
「はい、ですから」
「それでだな」
「今こそです」
「酒を控えてか」
「食事もバランスよく摂られ」
そのうえでというのだ。
「休まれて下さい」
「それではな」
「はい、それでは」
「今日は休もう」
「そうされて下さい」
「私は各国政府の中のごく一人に過ぎないが」
大使という要職にあっても各国の首脳達から見れば大勢のうちの一人に過ぎない、それでこう言ったのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「対する相手はいる」
「中央政府ですね」
「それもかなりの強敵だ」
「カバリエ外相と金内相ですか」
「中央政府きっての女傑二人だ」
その二人はというのだ。
「それならな」
「はい、強敵ですね」
「強敵と対する為にはな」
是非にというのだ。
「やはり身体がどうかだな」
「若し健康を害していますと」
どうかとだ、罪は夫に話した。
「何かとです」
「満足に動けない」
「しかも頭の動きも」
「やはり影響が出てな」
そしてというのだ。
「よくない判断に至るな」
「そうなりますので」
「健康はな」
「体調管理も大事ですね」
「そうだな、では」
「暫くの間は」
「確かなものを食べ」
そしてというのだ。
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