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イベリス

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第百十一話 喫茶店での出会いその四

「しないとな」
「そういうことですか」
「地震の怖さときたら」
「物凄いですからね」
「戦争は避けられても」
 政治的努力でだ、戦争は人間同士が起こすものであるので人間達の努力で避けることも可能であるのだ。
「災害はな」
「そうはいかないですね」
「今は火事は昔より消せるだろ」
「はい、消防隊で」
「山火事でもな」
 これが起こってもというのだ。
「まだな」
「消せますね」
「昔よりずっと被害は抑えられるよ」
「台風も気象情報でわかりますしね」
 咲はこちらの災害については自分から言った。
「規模とか進路が」
「だから対策立てられるね」
「そうなっていますね、雷は避雷針があって」
 この災害のことも自分から話した。
「洪水とかも情報来ますし」
「津波もね」
「災害も今はかなり対策立てられますね」
「けれどそんな災害の中でね」
「地震は違いますね」
「いきなりきてだよ」
 そうしてというのだ。
「とんでもない規模だったりするよ」
「そうですね」
「だから一番怖いから」
「災害の中でも」
「戦争よりもね」
 そうだというのだ。
「だからね」
「怖いんですね」
「そう思うから」
「耐震をですか」
「するんだ」
「そうですか」
「まあ関東大震災クラスだったら」
 マスターもどうしてもの地震のことが記憶にあった、それで言うのだった。東京の人間にとってはトラウマであるのだ。
「意味ないだろうけれどね」
「耐震してる建物でも」
「あんな規模だったら」
 それならというのだ。
「もうね」
「簡単に崩れますね」
「そうだよ」
 それでというのだ。
「しかも火災だってね」
「起こりますね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「余計に意味ないかもね、高層ビルとかタワーマンションも」
「崩れますか」
「怖いね、まあそうしたものもね」
「今は耐震考えられてますね」
「さもないと建てさせてくれないよ」
「今の東京だと」
「そもそもね」 
 この辺り日本特に東京は厳しい、伊達に地震に昔から悩まされているという訳ではないということか。
「そうだからね」
「まあ安心していいですか」
「皆もう考えてるよ」
「地震が来ることは」
「もうね」
 それこそというのだ。
「日本特にね」
「東京だとですね」
「定期的に地震が起こってきたからね」
「今お話している通りに」
「近くに富士山もあるし」
「ああ、噴火するかも」
「江戸時代に噴火してるしね」
 徳川綱吉の頃のことである。
「そうそう、火山の噴火も日本にはあるんだよ」
「それもありましたね」
「それでだよ」
「そっちも怖いですね」
「そう、これも怖いけれど」
 それでもというのだ。 
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