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八条学園騒動記

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第七百十一話 恐竜達その二

「人間はな」
「生きものも好きになることですね」
「人もな、自分以外の生きもの全てを忌み嫌うなぞな」
「最早おかしいですね」
「だが世の中だ」
「そんな人もいますね」
「エウロパでもそうだしな」
「連合でもですね」
「極端に自分しかない」
「そんな人ですね」
「そしてそんな輩は周りが嫌いな相手しかいなくてな」 
 そうした状況になっていてというのだ。
「不平不満ばかり言う」
「感謝もしないですね」
「そして自分が嫌っているからな」
「嫌うとですね」
「嫌われるな」
「では自分以外の生きもの全てから」
「嫌われる、そして嫌われるからな」 
 自分以外からというのだ。
「尚更不平不満ばかり言い」
「感謝もしなくなり」
「人格は悪くなる一方でな」
「人相も悪くなりますね」
「そうなる、流石にそうはいないが」 
 こうした輩はというのだ。
「稀にだ」
「いますね」
「そうだ、そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「こうした場所にも来ない」
「動物園にも」
「水族館にもな」
「あちらにもですね」
「後で行くが」
 水族館にもというのだ。
「そちらもな」
「行かないですね」
「そうした輩はな、だが見るのだ」
 子供達恐竜を観る彼等をだ、大尉は上等兵に見る様に言った。見れば様々な目と肌髪の毛の色の子達がいる。
「彼等はどうだ」
「恐竜を観て笑顔になっていますね」
「目がきらきらしてな、彼等は少なくともだ」
「恐竜は好きですね」
「何かが好きならな」
「それで変わりますね」
「そうだ、人間はな」
 まさにというのだ。
「心がな」
「そうなりますね」
「だからな」
 それでというのだ。
「連合はだ」
「子供達がこうであるので」
「やはりな」
「侮れないですね」
「衆愚ではあっても」
「実力のある衆愚ですか」
「人間のな」
 こうも言ったのだった。
「そうなのだ」
「そのことを覚えておくことですね」
「敵を侮るなぞだ」
 それこそというのだ。
「まさにだ」
「愚の骨頂ですね」
「そういうことだ、このことは常にだ」
「覚えておくことですね」
「敵を侮ればその時点で敗れる」
「人の世の常ですね」
「かつて欧州は世界を主導した」
 そうした立場になったことも話した。 
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