ハッピークローバー
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第八十九話 夏休みの宿題その九
「それから何度も殴ったのよ」
「うわ、暴力振るったんですか」
「それも後ろから」
「しかも何も聞かないでいきなり」
「余計に最低ですね」
「犯罪じゃないですか?」
「こうした奴なのよ」
これが堀内恒夫という人間である、その実績からいつも尊大に構えているが人格はこの通りである。
「ダブスタどころかね」
「暴力振るうなんて」
「しかも訳聞かないでいきなり」
「それ先輩でもアウトですよ」
「しかもいい大人が」
「問題外ですね」
「これを五十過ぎてしたのよ」
一九九八年のことだという、堀内は一九六六年に高卒でデビューしているので確実にその年代になる。
「こんな十代でもやったらアウトなことをね」
「やったんですね」
「五十過ぎのおっさんが」
「もうどうしようもないですね」
「人間ですらないですね」
「最低過ぎますね」
「そうでしょ、最低過ぎて」
店長はさらに嫌そうに話した。
「私底このこと聞く前から堀内嫌いだったけれど」
「余計に嫌いになったんですね」
「そんなことする奴だから」
「私も今実際に大嫌いになりました」
「最低ですね堀内」
「絶対に一緒にいたくない奴ですね」
「超嫌いになったわ」
そこまでだというのだ。
「それでダブスタはね」
「絶対にしない」
「そう決意されたんですね」
「それで私達にもお話してくれたんですね」
「こうなるなって」
「そうですね」
「聞いていて嫌になったでしょ」
五人にこのことを確認した。
「あんた達も」
「はい、なりました」
「ダブスタよくないですね」
「人にするなと言うなら自分もですよね」
「したら駄目ですよね」
「何があっても」
「そうよ、堀内もそうで学校の先生にも多いけれど」」
こうしたダブルスタンダードの輩はというのだ。
「あんた達もなったら駄目でそうした奴だって思ったら」
「聞かないことですね」
「相手にしないことですね」
「幾ら学校の先生でも」
「それでコーチでも」
「誰でもですね」
「だから堀内は嫌われていたし」
その暴力を振るわれた選手は堀内が監督になると聞いて引退してコーチに就任する予定だったが他チームで現役を続行した。
「そうした先生もね」
「嫌われますね」
「人にするなと言ったら自分もで」
「そこはちゃんとしないと駄目ですね」
「人に言うならまず自分が」
「そういうことですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「それでそんな奴に何を言われても」
「ちゃんとしたことを勉強して」
「それで覚えないと駄目ですね」
「自分の身は自分で守るで」
「ゴムのこともですね」
「そうなんですね」
「他のことでもね」
店長は五人にさらに話した。
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