イベリス
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第百十話 咲が気に入った服装その九
「小山さんの様な頃は」
「高校生の頃は」
「はい、そうしてです」
「喫茶店に行ってですか」
「大人な雰囲気をです」
それをというのだ。
「楽しんできました」
「そうだったんですか」
「誰でもです」
「高校生位の時は」
「大なり小なりです」
そうした時はというのだ。
「そう思い」
「それで、ですか」
「楽しみます」
「そうですか」
「ですから」
それでというのだ。
「小山さんもです」
「このお店にですね」
「行かれて下さい」
「それでコーヒーもですね」
「飲まれるといいです。スターバックスは」
この店はだ、速水は咲に尋ねた。
「行かれたことはありますか」
「東京のあちこちにありますね」
「はい、行かれたことは」
「実は」
言われて思い出したという顔になってだ、咲は答えた。
「ないです」
「ではそちらもです」
スターバックスもというのだ。
「行かれるといいです」
「そうですか」
「悪いことはないので」
だからだというのだ。
「ここはです」
「行かれることですか」
「はい、ですから」
「それじゃあ次は」
その喫茶店に行った後はというのだ。
「行ってきます」
「そうされて下さい」
「はい、是非」
「それでは」
「いや、高校に入って」
咲はこうも言った。
「色々と行ける場所出来ることが」
「増えますね」
「中学時代と比べて」
こう言うのだった。
「増えました」
「それが世の中です」
「成長するとですか」
「小学校と比べて中学校でも増えましたね」
「かなり」
「そして高校になってもそうで」
そしてというのだ。
「大学生になりますと」
「もっとですか」
「増えます」
そうなるというのだ。
「それもです」
「世の中ですか」
「そうなのです、ではその行ける場所に行かれて」
「楽しんだらいいですか」
「出来る様になったことをされても」
その場合もというのだ。
「楽しまれて下さい」
「そうしたらいいんですね」
「それは個人的なものでささやかな喜びかも知れないですが」
それでもというのだ。
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