ドリトル先生と桜島
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第十一幕その七
「常に武芸で鍛えていたからね」
「馬に乗って弓や刀を操る」
「そうした稽古ばかりしていて」
「戦になれば鎧兜を着て戦う」
「そんな人達だったからね」
「もうああしてだよ」
まさに金剛力士像の様にというのです。
「筋肉モリモリだったんだ」
「そうだったんだね」
「鎌倉武士の人達は」
「それで勝海舟さんもなんだ」
「物凄い身体つきだったんだ」
「実は当時ではやや小柄で」
身長のお話もします。
「百四十九センチ程だったらしいけれどね」
「当時の日本の人達って小さかったね」
「確か平均は一五五センチだったね」
「それ位だったね」
「その日本人の中でもね」
先生はお話を続けます。
「やや小柄でね」
「それだけだったんだ」
「一五〇センチなかったんだ」
「今から見るとかなり小さいね」
「大人の女の人でもね」
「そうした背だったんだ、ただ坂本龍馬さんは一八〇あったそうだよ」
勝海舟さんと縁の深かったこの人はというのです。
「何でもね」
「じゃあ龍馬さん相当大きかったね」
「今でも結構な背だし」
「一緒に並んでると目立っただろうね」
「差が凄くて」
「龍馬さんは当時の日本人の間じゃ桁外れに大きかったよ」
そうだったというのです。
「それでこの人も実は強かったけれどね」
「龍馬さんは北辰一刀流だったね」
「千葉周作さんの」
「有名な流派だよね」
「剣道の中でも」
「そうなんだ、けれど稽古の激しさはね」
何と言ってもというのです。
「直新陰流は別格だったんだ」
「こんな木刀千回も二千回もとか」
「無茶苦茶じゃない」
「プロレスラー真っ青だよ」
「ここまできたら」
「そうした稽古をしてきたからね」
だからだというのです。
「薩摩藩のこの流派の人達もだよ」
「強かったんだね」
「それも物凄く」
「そうだったのね」
「そうだよ、示現流も恐れられていたけれど」
それと共にというのです。
「直新陰流もだよ」
「恐れられていて」
「警戒されていたんだね」
「強いって」
「その様に」
「実際坂本龍馬さんを暗殺したのは」
この事件のお話もです、先生はしました。
「その頃新選組だっていう説が濃厚だったんだ」
「それで事件前に伊東甲子太郎さんも言っていたね」
「龍馬さん本人に新選組に気をつけろって」
「自分も新選組だがって前置きしたうえで」
「そうしていたね」
「それで岩倉具視さんも言っていたんだ」
幕末維新にお公家さんそして政治家として活躍したこの人もというのです。
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