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新オズのリンキティンク

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第十一幕その七

「ほんまに」
「そやな」
「いや、野村さんまでおられるなんて」
 ナターシャはまたあらためて言いました。
「この街は凄いですね」
「そういえばこの街にも縁の深い方だったよ」
 カルロスも言います。
「大阪に本拠地があったチームに二十年以上おられて」
「四番でキャッチャーでね」
 ジョージはそのチームでの野村さんのポジションと打順のお話をしました。
「何度もタイトルを取って」
「凄いスラッガーで名リードで」
 神宝はその活躍のお話をしました。
「大活躍だったね」
「監督もされて」
 恵梨香は野村さんのこのことをお話しました。
「優勝もされて」
「ははは、皆よお知ってるな」 
 野村さんは五人のお話に笑って応えました。
「子供やのにな」
「いえ、本当に有名ですから」
「野村さんのことは」
「四番キャッチャーでチームの柱で」
「監督兼任でも頑張られて」
「優勝もされたということは」
「その後色々なチームの監督してや」 
 野村さんは笑ったまま言いました。
「負けまくったけどな」
「いえいえ、四度も優勝されてるじゃないですか」
「それからも」
「ID野球で」
「沢山の選手を育てられて」
「再生工場もあって」
「観てる者は観ておるのじゃよ」
 リンキティンク王もミックスジュースを飲んでいます、その甘さを心から堪能しながら言うのでした。
「あんたのこともな」
「月見草やけどな」
「月見草も奇麗じゃ」
 こう野村さんに言うのでした。
「そしてお前さんは特に奇麗で大きなじゃ」
「そうした月見草かいな」
「そうじゃ、だからな」
 それ故にというのです。
「子供達もじゃ」
「わしを知っててか」
「褒めるのじゃよ」
「そうなんやな」
「わしもそう思うで」
 寛美さんも野村さんに言います。
「人は向日葵だけやなくてな」
「月見草も見ますか」
「それでその月見草が奇麗やったら」
 それならというのです。
「好きになるんや」
「そうですか」
「あんたは選手としても監督としても凄くてや」
 そうしてというのです。
「困ってるモンを見捨てん」
「そうした人間でっか」
「それがわかるからな」
 野村さんという人を見ればというのです。
「好きになるんや」
「そうでっか」
「実際あんたこの街の人気者の一人や」
 そうなっているというのです。
「わしも好きやしな」
「それは何よりです」
「それでオズの国でも野球やってるやろ」
「わしが出来るといいましたら」
「野球やな」
「何といっても」 
 まさにというのです。 
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