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八条学園騒動記

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第七百十話 多彩な生きもの達その十四

「そんな生きものだからな」
「おいそれとはですね」
「飼育出来ない、だがこの動物園ではな」
「飼育していますね」
「連合屈指の企業グループ八条家が運営しているのだ」
 そうした動物園だからだというのだ。
「資金も技術も人材もな」
「違いますね」
「そうだからな」
「恐竜も飼育出来ているのですね」
「そういうことだ」
 まさにというのだ。
「だからな」
「その恐竜もですね」
「観るぞ」
「わかりました」
 上等兵は大尉の言葉に頷いた。
「それではです」
「これよりな」
「恐竜達のところに行きましょう」
「それで言っておくが」
 大尉はこう前置きして話した。
「恐竜も貪欲ではない」
「必要なだけ食べますか」
「そうだ」
 そうした生きものだというのだ。
「それに爬虫類だからな」
「それで、ですか」
「恒温動物だからだ」
 それ故にというのだ。
「巨体だが体重もな」
「その巨体の割にですね」
「軽くな」
 そしてというのだ。
「食事の量もだ」
「哺乳類と比べると」
「身体に比して少ない」
「そうなのですね」
「巨体なので食べる量は多くとも」
 このことは事実でもというのだ。
「その割合はな」
「少ないのですね」
「そうだ、そして貪欲でもないのだ」
「必要なだけ食べるだけですね」
「そうした生きものだ」 
 恐竜はというのだ。
「一見狂暴だがな」
「それ程ではないのですね」
「だから家畜を守るのも近寄ると大きな音が出たりする様にしてな」 
 連合ではというのだ。
「それでな」
「済みますか」
「何でも頭のいい哺乳類に対するよりもだ」
「身体は小さくとも」
「楽らしい」
「そうなのですね」
「そう聞いている」
 こう上等兵に話した。
「連合の牧畜業の話を聞くとな」
「恐竜より狼ですか」
「そもそも恐竜は大きいので近寄るとな」
「すぐにわかりますね」
「そして夜行動することもない」
 それもないというのだ。
「気温が下がるとな」
「動けなくなりますね」
「そうなるからな、ではな」
「これからですね」
「その恐竜達を観に行くとしよう」
「それでは」
 上等兵も応えた、そうしてだった。
 二人で恐竜のコーナーに向かった、そして今度は巨大な獣達を観るのだった。


多彩な生きもの達   完


                  2023・4・2 
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