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ハッピークローバー

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第八十九話 夏休みの宿題その六

「いいわね」
「私達もですね」
「そこはしっかりとね」
「勉強しておくことですね」
「そうよ、まあ八条学園は違うけれど」
 店長は一華達が今通っていて自分が卒業した学園のことも話した。
「学校の先生ってあれな人異常に多いから」
「よく言われてますね」
「こうしたことお話に出しただけでね」
「怒る人いますね」
「いい鉄は釘にならないでね」
「いい人は学校の先生にならないですね」
「そうよ、社会不適格者だって多いから」
 教師が起こす犯罪の多さから言うのだった、その数に比較して犯罪を起こす確率を見てのことである。
「こうしたことお話するの聞いただけでね」
「怒る先生いますね」
「それも暴力まで振るってね」
「無茶苦茶ですね」
「こんな先生の言うことはね」
 それこそというのだ。
「気にしない、見付からない様に注意することよ」
「それが大事ですね」
「けれど八条学園だとね」
「変な先生もいますね」
「中川みたいに授業になってない授業する教師いても」
「ああ、日本史の」
「あんた達も知ってるでしょ、中川」
 今度はその教師のことを話した。
「あいつの授業ってね」
「遅れてるばかり言って」
「テストも異常に難しいですね」
「そんな手前勝手なものだけれど」
 それでもというのだ。
「その中川でもね」
「そんなことは言わないですね」
「あいつは授業下手なだけで」
「他はまともですか」
「だからこうしたことをお話していてもおおっぴらに話すなって言うだけで」
 それで済んでというのだ。
「別にね」
「それ以上はですか」
「ないから」
 だからだというのだ。
「いいのよ」
「そうですね」
「そんなことしてもね」
「逆効果ですね」
「そうよ、知るべきことは知らないとね」
「駄目ですね」
「流石に学校でいやらしい小説読むのは駄目よ」 
 店長はそれは駄目だとした。
「国の名前が付いた黒い表紙の出版社のとかね」
「あっ、あそこですね」
「そう、ああした本は小説だけじゃなくて漫画でもね」 
 どちらでもというのだ。
「おおっぴらにじゃなくてこっそりね」
「読むものですね」
「あと学校で谷崎潤一郎や永井荷風読むのもね」
 純文学の方もというのだ。
「駄目だけれどね、うちの兄貴なんてね」
「店長さんお兄さんおられるんですか」
「八条ホビーでカード店の店長さんやってるのよ」
「そうなんですか」
「八条大学出てね、それでこの兄貴谷崎ファンだけれど」
 谷崎潤一郎の作品が好きだというのだ。
「電車の中で読んでいて」
「どうなったんですか?」
「隣の席のおばさんに凄く嫌そうな顔をされたらしいわ」
「そうなんですか」
「だって普通にいやらしいから」
 谷崎の作品はというのだ。 
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