星河の覇皇
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第八十四部第四章 続く会談その五
「そうしましょう」
「ダブルスパイですか」
「彼等を作ってですか」
「そうして情報を聞き出しますか」
「ですが」
スタッフの一人がアルギエールに話した、パーティーの華やかな場所から離れて今は個室でお互いに話している。
「この北京星系の中央政府の省庁は」
「ガードが堅いですね」
「我が国だけでなく他の政府も動いていますが」
それでもというのだ。
「情報収集はです」
「上手くいっていませんね」
「スパイを潜入させることも」
そのスタッフはさらに話した。
「ダブルスパイを作り上げることも」
そちらもというのだ。
「残念ですが」
「それは普通の職員ですね」
「と、いいますと」
「普通の職員ではないですが」
それでもというのだ。
「省庁の中を自由に出入り出来る立場の人です」
「といいますと」
「それは誰でしょうか」
「どういった人達でしょうか」
「清掃業の人達です」
アルギエーリが言うのは彼等だった。
「あの人達から聞きましょう」
「ああ、清掃業ですか」
「確かにいつも省庁に出入りしていますね」
「しかもケベック人です」
「それならですね」
「彼等から何気なくです」
それこそ気付かれない様にしてというのだ、その清掃業の者達からも。
「お話をして」
「そして、ですね」
「そのうえで情報を聞き出す」
「そうするのですね」
「彼等は怪しまれません」
清掃業の者達はというのだ。
「省庁の中に確かに出入りしますが」
「それでもですね」
「その中にはいてもです」
「職員でないので意識されにくい」
「そうした人達ですね」
「ですが省庁のかなりの部分を自由に行き来出来て」
そうしてというのだ。
「情報を聞くことが多いです」
「その業務の中で」
「そうしているので」
「だからですか」
「彼等から話を聞いて」
そのうえでというのだ。
「情報収集を行いましょう」
「そうしますか」
「では、ですね」
「これよりですか」
「清掃業の人と接触しますか」
「はい」
まさにというのだ。
「そうしましょう」
「それでは」
「まずは、ですね」
「中央政府内務省と外務省に出入りしている業者を確認し」
「そちらの人達からお話を聞きますか」
「そうしますか」
「そして」
そのうえでというのだ。
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