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ハッピークローバー

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第八十八話 通天閣その十七

「見えないものが見えていて」
「他の人には」
「そしてね」
「変なこと言うのよね」
「みっくちゅじゅーちゅとかも猛毒に見えているんだろうね」 
 それこそ飲むとすぐに苦しみ抜いて死ぬ様なだ。
「普通の人には見えていなくても」
「そうした人には」
「それで言うんだよ」
「そうした人の言うことは聞いたらね」
「駄目だよ、だから僕はみっくちゅじゅーちゅもね」
 こちらもというのだ。
「飲み過ぎない様に注意して」
「飲むわね」
「そうするよ」
「それがいいわね、しかしね」
「しかし?」
「いや、化学調味料とか合成着色料も程度で」
 摂取するそれでとだ、理虹はコーラを一口飲んでから話した。
「それでね」
「飲んで食べればいいよ」
「それだけよね」
「変なこと言う人は」
「もう気にしない」
「それでいいわよね」
「というかね」
 古田はどうかという顔で言った。
「あれを食べるなこれを飲むな」
「鬱陶しいわね」
「自然食ばかりだと」
「今頃自然食だけってね」
「窮屈だよ、何か昔の蒲鉾の方が美味しいとかね」
「どうせまた化学調味料使ってるとかでしょ」
「そんなこと言ってお醤油とかの調味料もね」
 料理に絶対に用いるこうしたものもというのだ。
「化学がどうとか言ってね」
「お料理に使わないのね」
「そんなことばかりだと」
 それならというのだ。
「スーパーとか行ってもまともに買えないよ」
「結論としてそうよね」
「挙句養殖ものが駄目とか」
 ほたて貝を食べつつ言った。
「ハウス栽培とかもね」
「ビニールハウスの」
「ハウス栽培の野菜や果物の栄養価が低いとか」
 そうしたことを言ってというのだ。
「それで駄目とか言ってもね」
「農業科の子が聞いたら怒りそうね」
「その土地や季節によってそういうの変わるしね」
「それで栄養価が極端に低いとか」
「そう言う人はね」
「おかしいわね」
「うん、もうそんなこと言う人はね」
 古田は実に嫌そうに話した。
「気にしないことだよ、大威張りで出鱈目言う人なんて」
「信じたら駄目ね」
「はっきり言って馬鹿だよ」
「化学調味料とかハウス栽培とか駄目っていうのは」
「そうだよ、あくまで程度だよ」
「その問題ね」
「それでこうしたお店で騒いだら」 
 そうした考えの持ち主がというのだ。
「警察に通報かスマホで動画撮影して」
「拡散ね」
「そうしたらいいよ、自分が気に食わないからお店の中で暴れるなら」
 それならというのだ。
「立派な営業妨害だしね」
「やったら駄目よね」
「そうだよ、だからサイダーもね」
「飲めばいいわね」
「うん、そんなこと言う人達のことは気にしないで」
 こう言ってだった。
 古田はサイダーを飲んだ、そして串カツを食べてそうして楽しんだ。理虹はそんな彼と一緒に飲んで食べてだった。
 その後で一緒に家に帰った、そのうえで家の前で古田に言った。
「また一緒にね」
「新世界行こうね」
「そうしようね」 
 笑顔で言った、そのうえでこの日は別れて家に入ったのだった。


第八十八話   完


                  2023・6・1 
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