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ハッピークローバー

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第八十八話 通天閣その十四

「凄くね、じゃあね」
「次はあそこね」
「法善寺行こうね」
「あそこにね」
「千日前とか心斎橋とか」
「あと道頓堀もね」
「そうした場所もいいんだよね」
 デートに行く場所にというのだ。
「そうなんだよね」
「善哉も美味しいしね」
「うん、夏も食べたいよね」
「善哉はね」
「それじゃあね」
「一緒に行きましょう」
「それじゃあね」
 こうしたことを話してだった。
 二人は串カツをキャベツと共に食べて飲みものも飲んだ、古田はサイダーで理虹はコーラであったが。
 そのコーラを飲みつつだ。理虹は言った。
「粉ものには炭酸よね」
「合うよね」
 古田も同意して頷いた。
「サイダーもコーラも」
「そうなのよね」
「そういえばね」
 古田はサイダーを飲みながら言った。
「ラムネとサイダーってね」
「同じ様なものでしょ」
「いや、それが違うんだ」
「そうなの」
「ラムネの方が庶民的らしいよ」
「どっちも同じじゃないの?」
 理虹は首を傾げさせて答えた。
「ラムネとサイダーって」
「庶民的だよね」
「どっちも普通にお店に売ってて」
 今はコーラを飲んでいるがそれでもそちらの話をするのだった。
「皆買って飲んでるでしょ」
「けれどどっちかっていうと」
「ラムネの方が安いの」
「そうみたいだよ」
「そうなのね」
「昔はそうで」 
 それでというのだ。
「ラムネの方が安くて」
「庶民的で」
「お金がない時は」
「サイダーじゃなくてラムネなのね」
「そっち飲んでいたみたいだよ」
「ラムネっていったら」
 理虹はこちらの飲みものの話をした。
「江田島の合宿の時に聞いたけれど」
「あの時になんだ」
「大和の中で造れたのよね」
「ああ、帝国海軍の戦艦の」
「羊羹造ることが出来て」
 このお菓子もというのだ。
「ラムネもね」
「そういえばそんなこと書いてたね」
「大和の資料でね」
「そうだったね」
「物凄く大きくて」
 全長だけでなく排水量もだ、文字通りの巨大戦艦であったのだ。
「三千人位の人が中にいて」
「そうしたものも造ることが出来たんだね」
「それでラムネもね」 
 この飲みものもというのだ。
「造ることが出来て」
「飲めたんだ」
「ええ、そうしたお話も聞いて」
「サイダーとラムネはなんだ」
「実はそれがサイダーでもね」 
 大和の中で造られるものはというのだ。 
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