イベリス
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第百九話 生と死その七
「私もだけれど」
「パリーグは順位変わりますからね」
「そうでしょ、セリーグは最下位は不動だけれどね」
「巨人で」
「しかも阪神強過ぎるから」
このチームが連覇を続けていることも話した。
「あまりね」
「変わらないですね」
「最下位にならないことはいいけれど」
「巨人がいるので」
「けれどね」
「優勝したいですね」
咲はヤクルトフォンとして言った。
「本当に」
「そうよね、私もね」
「優勝したいですね」
「うちのチームってすぐにね」
「それまでになるんですか」
「そうだからね」
そうした状況だからだというのだ。
「残念よ」
「けれど日本一になったことも」
「マー君が凄かったからね」
その時はというのだ。
「あの時は」
「ああ、マー君シーズン無敗で」
「それで優勝出来たでしょ」
「シリーズも勝ちましたね」
「巨人にね、そうなった時にはね」
「楽天強かったですね」
「けれどマー君いなくなったら」
それからはというのだ。
「今に至るまでね」
「そういうことですか」
「そういうことよ」
咲に苦い顔で言うのだった。
「本当にね」
「パリーグって順位よく変わりますが」
「それでも楽天は基本ぱっとしないのよ」
ぼやいた顔で言うのだった。
「どうしてもね」
「副部長さんとしてはですね」
「それが残念よ。ただ交流戦ではいつも巨人に勝ってるわね」
「巨人交流戦にも弱いですね」
「いつも一勝か二勝出来たらいい感じね」
巨人は交流戦でもそんな有様なのだ、勝率にして二割もいかないのが常でその試合内容も実に酷い。
「そうでしょ」
「いや、普通にやっても弱くて」
「交流戦でもね」
「オープン戦でも二軍でも弱いですね」
「どっちも毎年最下位よね」
「交流戦はじまってから全部で最下位なんですよね」
ペナント、交流戦、オープン戦、二軍でとだ。
「ある意味凄いですね」
「何もいいところないわね」
「巨人らしいですね」
「その巨人は問題外として」
「楽天はもう少し、ですか」
「粘りが欲しいわ、死んだつまり終わったと思わないで」
それでというのだ。
「最後まで諦めないでね」
「試合して欲しいんですね」
「ずっとね、私の主観かも知れないけれど」
「粘りがないですか」
「死なないと何度でもやり直せるのよ」
だからだというのだ。
「そうだからね」
「最後の最後まで、ですね」
「諦めたら終わりよ、それは試合が終わるかペナントはね」
「優勝が決まるまで」
「自力優勝が消えても」
そうなってもというのだ。
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