何時の間にか首位交代

「どうせこれが当の清原だとね」
「そんなことしないよな」
「清原ってガタイはいいからな」
「それで強いとか自慢してるしな」
「変に鍛えていてな」
「あの鍛え方も駄目だけれどね」
　清原のそれはそれでというのだ。
「野球選手なのに格闘家のトレーニングしてね」
「野球には野球のトレーニングあるよな」
「格闘家のことしても駄目だよな」
「かえって変な筋肉ついて駄目だろ」
「怪我しやすくなるだろ」
「食生活だってそうだよな」
「そう、僕スキーだけれどね」
　寿は自分が所属している部活の話をした。
「スキーだってそうだよ」
「スキーのトレーニングあるよな」
「スキー選手の筋肉とかな」
「ちゃんとあるよな」
「そんなこと常識だから」
　きっぱりと言い切った。
「それで格闘家のトレーニングとかね」
「何考えてるんだってなるよな」
「実際清原動き悪くなったしな」
「怪我も多くなったし」
「見当外れもいいところだったな」
「それにああしてイキってる奴程実はで」
　威勢のいい発言や行動をよく出す輩こそというのだ。
「結局ああなったね」
「捕まったな」
「馬鹿過ぎることやってな」
「そうなったしな」
「そのうち何かすると思ってたけれど」
　逮捕される様なことをだ。
「まさかね」
「ああしたことするとかな」
「ないよな」
「幾ら何でもな」
「最低だろ」
「そうだよ、けれどその清原ならね」
　彼が実際にロッカーを荒らしている場面を堀内が見たならというのだ。
「絶対にだよ」
「蹴ったりしてないよな」
「暴力振るう奴ってそうだよな」
「自分より腕力や立場が上の奴にはそうしないんだよな」
「絶対に」
「そうだからね、堀内はいいところないから」
　人間の美点なぞ一切備えていないというのだ。
「頭もああだしね」
「話聞くことないな」
「只の糞爺だよな」
「今遺言とか言って何か言ってるけどな」
「聞くに値しないな」
「こんなのもいるから」
　堀内の様な輩もというのだ。
「解説者といってもね」
「色々でか」
「それでか」
「中にはいい加減な人もいて」
「順位予想はあてにならないか」
「まあ僕はカープ四位かなって思ってたよ」
　寿は自分の予想を述べた。
「ヤクルトと横浜と争ってね」
「それで阪神首位か」
「そうだって思ってたんだな」
「そうなんだな」
「情報集めてもね」
　寿なりにだ。
「阪神程じゃないし新井監督も未知数だったしね」
「監督としてな」
「新任だしな」
「わからないよな」
「流石に」
「千佳は優勝って言ってたんだよ」　
　妹である彼女はというのだ。
「リーグ三連覇以来の優勝だってな」
「ああ、あの妹さんな」
「妹さんはそう言ってたんだな」
「そうだったんだな」
「けれどね」
　それでもというのだ。