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恋姫~如水伝~

作者:ツカ
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三話

 
前書き
とても短い文を不定期に投稿する可能性があるので
長い目で見てください 

 
城の外では武装した兵が八千人ほどが隊伍を崩さず整列している。その近くでは荷駄に兵糧や槍や弓などの武具を積むために軍夫達が働いている。この近辺で動いている賊を討伐する為だった。賊の居場所を掴んだ華琳は賊の規模・篭っている砦・そこの首領の性格などを調べる事と、討伐の為の軍の編成と必要な武具・食糧・荷駄を用意をする事を全て、如水に任せた。
全ての用意が整った事を華琳に報告すると、すぐさま出陣の触れを出し今に至っている。
「この光景も懐かしいな、文化は違っても人の生活の根本は変わらないのかもしれないな」
昔を思い出し城壁から兵士たちを見ていると春蘭が話しかけて来た
「どうした、間の抜けた顔をして」
「いや、少し故郷を思い出してな」
「そうか、お前の故郷と比べてなにか違うか」
「いや、大した違いはないな」
そこに華琳が秋蘭を連れてやってきた
「…何を無駄話をしているの、二人とも」
叱責を受けた春蘭は狼狽し
「か…っ、華琳さま…!」
「春蘭、兵の装備と兵士の数の最終報告、まだ受けてないわよ。数は揃っているの?」
「は…はいっ。全て滞りなく済んでおります。」
「私は昨日、すべて報告した通りだが何か問題でも」
「あなたが糧食の監察官と揉めたと報告があったわ。その件はどうなっているの」
「その件は、担当官を変えて処理したと報告したが」
「その者から、直に話がしたいと申し込まれたわ」
華琳がそう告げると一人の女性が顔を出した
「この顔に見覚えがあるわね、如水」
「ああ、私が辞めさせた旬彧という名の監察官だな」
「自分の意見を聞かなかったと申しているのだけどどうするの」
「出陣前の今言われても困る、それに彼女の意見を聞いたがあまりにも馬鹿らしくて採用する気にならないので辞めさせただけだ。これ以上深く聞きたかったら城に帰陣してから改めて場を設けてくれ」
如水がそう言ってその場を去ろうとすると旬彧が声を荒げた
「待ちなさいよ、そこの男」
声を掛けられ振り向いた如水は不機嫌に返事をした
「私の事かな?」
「そうよ!あんた以外だれがいるのよ」
「男なら下に一万人近く居るそれに町に行けばまだ居るだろうが」
「今ここに居るのはあんただけじゃない」
「それだと城壁の警備に当たって居る者を数えていないことになるな」
二人が言い争っているのを見た華琳と春蘭、秋蘭はいつも物腰の柔らかい如水が不機嫌な顔を見せる事に驚いていた。
「如水でもあんな顔するのね」
「はい、私も始めて見ましたあんな如水」
「確かに兵の指揮でも滅多に声を荒げませんからね」
三人は当然知らないだろうが、如水は幼い頃から張良に憧れており。徳川秀忠に対面した折に「今張良」と称えられた自分がこの世界に来て曹操に仕え、曹操から「我が子房」とまで称えられた旬彧に会うことに楽しみにしていたが実際に人物を見てこの程度の者かと失望していたために、今回は子供のように拗ねて不機嫌になっていた。
「二人共いい加減にしなさい」
珍しいものが見て感心していたが、さすがに出陣前にこんな言い合いをしている二人を見て華琳は静止させた
「君が旬彧をここに連れてこなければよかっただけのことだ、ここで時間を無駄にするのも惜しい。これ以上この場で時を浪費するなら私は自分の部隊だけでも連れて索敵の任に当たるが構わないな」
静止した華琳にそう言ってから時を急ぐ用に如水は部隊の方に去っていった。
「待ちなさい、如水」
如水を追いかける様に華琳が去っていくと春蘭と秋蘭も後を追っていった
そしてその場には旬彧だけが残り周りの者からは如水に二度も言い負かされ挙句に曹操に捨てられた事に嘲笑の眼差しで見られていた。
「おのれ、男の分際でよくも曹操様の傍でこの私に恥を掻かせて覚えていなさい」
と言って旬彧もその場を去った。その後で、更に大きな笑い声が聞こえ自分の事を笑っているのだと察したその屈辱に耐えきれなかったがそれでも、曹操をまじかで見て自分の才を披露するのはこの方を置いていないと確信していたそのためにはどんな嘲笑も甘んじてうけるつもりだった


 休息地・本陣
出陣前の事を恥じた如水は華琳の陣に足を運び城壁での醜態を詫びていた
「先ほどは見苦しい振る舞いをして申し訳なかった。しかも腹をたて軍を独断で動かすとは将として恥ずべき事。いかなる罰も受けるつもりだ」
「いいえ、さっきの事は私が時を選ばなかった事が悪かったわ。それにあそこで時を無駄にしていたら兵の士気がだれていたわ、それに気づかせてくれてありがとう」
「しかし、君に八つ当たりをして去って行ったのは事実だ。このまま許されては私の気が治まらない」
「では、この討伐で見事に働く事。それがあなたに課す罰よいいわね」
「わかった、君が納得するような働きを示して見せよう」
そのようなやり取りがあり如水が自分の陣に帰ると敵情偵察していた者と敵陣に潜入していた者が帰ってきたとの知らせがあった。
その話を聞き、華琳と春蘭、秋蘭を呼び報告内容を語らせた。
「聞いた限りだと連中はただの賊の集まりと言った方が正しいでしょうね」
「うむ、だからこそれらを纏める者が出て軍閥に成る前に早く討伐した方が良いでしょう」
「そうね、これ以上民草に害をなす輩を放って置けないし。それにこのような賊の横暴は私としても許しがたいは一刻も早く淘汰するわよ」
「彼らは古い砦に篭っているそうだが今回はそれを奪うだけでなく出来うる限り根絶やしにする必要があるな」
「たしかに、また他所で狼藉を働かれても困るしそれは頭に入れておきましょう」
華琳が基本方針を決めると三人に問いかけた
「攻め方についてなにか工夫がある?」
「…??そのまま賊の所に向かって攻め落とせばいい話では?」
「姉者、それでは取り逃がした賊がでてしまうかもしれんだろう」
「?…??」
「春蘭は今放っておきましょ、如水。あなたの意見を聞かせて」
「相手は四千人の賊の群れだ、このまま進めば数に恐れをなして逃げる可能性もある、軍を三つに分けて三方向から攻めるのが良いかと思う、数は本陣に二千人置き。残りの六千を二つに分け、敵の砦を左右に回りこむ。そうして本陣が敵の正面から向かえば相手はただの賊だ、討伐軍が自分達より少ないと思い何も考えず突っ込んでくるだけだろう。相手が正面に気を取られている内に左右に回り込んだ部隊が同時に砦を襲うその後に前後から挟み撃ちにすると言うのはどうだ」
「その案なら左右の部隊は私と姉者が受け持つほうが良いかと」
「確かにその方が取り逃がしは少なくて済みそうね。春蘭理解した?」
「…私が右側から回り込んで秋蘭と合わせて砦に襲い掛かれば良いわけですね」
「そうだ、この戦いは我らの二人の息が合うかが決めてだ抜かるなよ姉者」
「わかっている、しかし正面は華琳さまが受け持つのでしょう大丈夫でしょうか?」
「この程度の賊に遅れを取る様に兵士達を鍛えてはいないわ。安心なさい、それに如水もいるのだから」
「そうですね、申し訳ありません。如水、華琳さまを任せるぞ」
「わかった、不肖ながら引き受けよう」
では、と言って二人が去って行った
残った二人も馬を進めながら布陣の準備をし、陣を整えると華琳が如水に馬首を並べてきて
「あなたの手並み見せてもらうとするわ」
そう言って後方に下がって行った
陣の指揮は如水に任せ華琳は後方で連絡兵を指示するようだったその方が如水の働きが見れるからだろう
華琳が笑ったのを見て如水も期待に答えるように笑った

 
 

 
後書き
旬彧はとりあえず、如水の初陣で外しました、役が被る上に自分的には如水の方が陣頭指揮できる分、優れている気がしましたし。
旬彧ファンの方申し訳ありません 
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