八条学園騒動記
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第七百九話 大きな家畜達その十一
「そうした国だ、ただ鰐は日本以外ではな」
「この国ですか」
「養殖ものでも事前に冷凍させていてもな」
それでもというのだ。
「生では食べない」
「日本はお刺身を食べるので」
「寿司もな」
「だから鰐もですね」
「生で食べるが」
刺身にしてだ。
「そうした店もあるが」
「まずですね」
「日本以外の国ではな」
それこそというのだ。
「ない」
「そうですね」
「日本人はな」
大尉は言った。
「生で食べることがだ」
「好きですね」
「そうした食文化の国だからだ」
それ故にというのだ。
「魚介類もだ」
「生で食べることを好み」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「時には馬や牛にだ」
「衛生が保証されると」
「もうだ」
その時点でというのだ。
「躊躇なくな」
「生食にしますね」
「刺身にな」
これに加えてというのだ。
「こちら、イタリア等の料理でだ」
「ああ、カルパッチョですね」
「そうしたものにしてな」
そのうえでというのだ。
「食べている」
「そうですね」
「古代ローマでは刺身を食べていた」
大尉はこの話もした。
「あの様に魚介類を切ってな」
「そこに醤油もかけていましたか」
「当時は肴醤だったがな」
これ自体はこの時代でも存在している、東南アジア諸国ではナムプラー日本ではしょっつると呼ばれているものだる。
「それを用いてな」
「食べていましたか」
「流石に山葵はなかったが」
この香辛料はといいうのだ。
「醤油はな」
「魚醤でもですね」
「古代ローマでは用いられていた」
「そうだったのですね」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「今の日本に話を戻すと」
「カルパッチョもですか」
「食べてな」
そしてというのだ。
「楽しんでいるが」
「衛生面が保証されますと」
「具体的に言うと新鮮でな」
「寄生虫がいない」
「そうであるならな」
この二つの条件がクリアーされていると、というのだ。
「日本人は何でもだ」
「生で食べようとして」
「鰐もだ」
「そうして食べますね」
「牛もそうして食べるのだ」
その牛を見つつ上等兵に話した。
「君は牛肉を生で食べるか」
「お刺身にしてお醤油で、ですか」
「おろした山葵それが生姜や大蒜でもだ」
香辛料についてはこう言った。
「それで食べるか」
「とても」
これが上等兵の返答だった。
「それはです」
「想像も出来ないな」
「はい」
大尉に真顔で答えた。
「それは」
「それが他の国だ」
「連合でもですね」
「他の国では相当な親日家でもないとだ」
「そうして食べないですね」
「肉の握り寿司もな」
こちらもというのだ。
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