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ハッピークローバー

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第八十八話 通天閣その五

「やっぱり」
「そうかもね」
「やっぱりね、まあ地震なんか起こったら」
 どうなるか、古田は眉を顰めさせて話した。
「関西でもあったしね」
「阪神大震災よね」
「僕達が生まれる前だけれどね」
「あれで神戸滅茶苦茶になったのよね」
「特に長田区が酷くて」
「私達の学校があるね」
 八条学園は長田区八条町にある、この町に八条グループの本拠地がありあらゆる主要企業の本社もある。
「あそこもね」
「あの地震でね」
「大変なことになったわね」
「五千人以上の人が亡くなったから」
 阪神大震災でだ。
「今も言われてるね」
「そうなのよね」
「大阪だってね」
 自分達が住んでいるこの街もというのだ。
「結構ね」
「被害受けたのよね」
「そうなったからね」
「地震のことはね」
「怖いね」
「生まれる前でもね」
「まだ言われてるから」
 理虹に通天閣から舌を観つつ話した。
「起こって欲しくないし」
「怖いわね」
「本当にね、通天閣だって」
 地震が起きればというのだ。
「壊れるかもね」
「大地震が起こったらね」
「流石に多少揺れる位だと大丈夫だけれど」
「阪神大震災みたいのだとね」
「壊れるかも知れないよ」
 通天閣もというのだ。
「それで大阪城も」
「壊れるかも知れないわね」
「急に起こるしね、地震は」
「何かその前に鯰が暴れたり鼠が団体で逃げ出すっていうけれど」
「雲が出るとか」
 地震雲という。
「言われてるけれどね」
「急に来るのよね、地震は」
「台風は天気予報でわかるし雷もね」
「天気予報でわかるわよ」
「大雨や大雪もね」
「それで雪崩とか洪水もね」 
「けれど地震は」
 これはというと。
「本当にね」
「急に来るのよね」
「それが大きかったら」
 それこそというのだ。
「冗談抜きで戦争より怖いかもね」
「そうね、東北だってね」 
 理虹はこの地震の話もした。
「本当に東北滅茶苦茶になったから」
「東北全体がね」
「あの地震の時私達子供でね」
「殆ど記憶にないけれどね」
「二万以上の人が亡くなってるから」
 もっと言えば政府の対応も実に酷かった、パフォーマンスで原発に行き作業を遅らせ爆発させたうえ辞任すると言ってその座に暫くしがみついていた総理大臣もいてだ。
「酷かったわね」
「うん、二度と起こって欲しくないよ」
「あんな地震もね」
「そうだね、しかしね」
 ここで古田はこうも言った。
「あの地震の時政権にいた人達反省してないんだよね」
「あの人達ね」
 理虹は実に嫌そうな顔で応えた。
「言われてみればね」
「あの人達反省していないよね」
「あの震災の時したことをね」
「若しあの人達がまた政権に就いたら」
「絶対同じこと繰り返すよ」
「もっと酷いことするんじゃないの?」 
 理虹は眉を顰めさせたまま古田に返した。 
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