星河の覇皇
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第八十四部第三章 円明園の会議その四十一
「我が国もです」
「対されますね」
「はい、そして」
そのうえでと言うのだった。
「国益をです」
「得られますか」
「そうさせて頂きます」
「勝つのではなく」
「勝利ですか」
「はい、我が国に対して」
「勝敗で国益が決まるものではないかと」
笑ったままでだった、伊東は言葉を返した。
「それは」
「と、いいますと」
「負けても実を取る」
「実をですか」
「そうです、勝って皮を取れるが負けて実を取るなら」
「負けるのですか」
「政治は時として敗れた方が得るものが多い場合もあります」
そうした容易ではないものだというのだ。こうしたことも踏まえて冷静に国益を得ていくことが政治家としての伊東の真骨頂の一つなのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい」
まさにという返事だった。
「ですから」
「負ける方が得ならば」
「私は負けます」
喜んでという顔で朴に述べた。
「そうします」
「左様ですか」
「はい、ですから貴国ともです」
「負けた方が得ならば負けるので」
「今の様に答えます」
実際にというのだ。
「そうします」
「そうなのですね」
「そしてです」
伊東はさらに話した。
「国益になるならば勝利もです」
「目指されますか」
「そして勝ちます」
その様にするというのだ。
「その様にします」
「勝敗はその都度なのですね」
「国益次第です」
それが得られるか得られないかだというのだ。
「まさに」
「そうですか、どうもです」
「貴国はこれまでは、ですね」
「それが出来ていなかったので」
それでとだ、朴は無念の顔で話した。
「今に至ります、日本に勝つことばかりで」
「国益のことはですね」
「何もです」
それこそというのだ。
「考えていませんでした」
「日本に勝つことが国益で」
「はい、そして」
それでというのだ。
「実際の国益はです」
「わかっていなかった」
「ですから」
「今に至るので」
「ですがそれを変えていくことをです」
「これからですね」
「変えたいので」
それ故にというのだ。
「今は中央政府にです」
「対されますね」
「そうします、それで宜しくお願いします」
こう話してだ、朴は伊東との会談を終えて韓国の大使館に戻った。そしてそこで中央政府に対することを宣言した。
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