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神々の塔

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第二十八話 古代の神々その五

「想像してへんかったわ」
「戦をする、勝つことだけやったな」
「考えてて」
「仲間にしてな」
「それで枢軸の領土も治めることは考えてへんかったわ」
「そやったな」
「それやね、そこまで想像してこそ」
 それでとだ、綾乃は考える顔で言った。
「仲間に出来て」
「一緒にいられるな」
「そやね、ほなこの塔を踏破して」
「それからな」 
「想像出来る様になろうな」
「是非な」
 リーも綾乃に応えた。
「これからは」
「そやね、あの子等も悪い子等やないし」
「政は確かに峻厳やけどな」
 そう言っていいものだがというのだ。
「ちゃんと民のことを考えてるな」
「そうした政やね」
「紂王とはちゃう」
 暴君の代名詞とさえなっている彼とはというのだ。
「贅沢を極めてな」
「民に苛斂誅求の政を行う」
「徹底して奪って殺す」
「そうした政やないね」
「悪人には私等以上に厳しくてな」
 そうしてというのだ。
「敵には微塵も容赦せんが」
「生き埋めにしたりもするし」
「法も厳しいけどな」
 十星連合のそれよりもというのだ、事実三星枢軸の法は連合のそれとは比べものにならない位厳しい。
「しかしな」
「ちゃんと民を豊かにしてて」
「内政もや」
「力を入れてるし」
「搾取とかもしてへん」
「悪人には過酷でも」
「冤罪も非常に少ない」
 こちらのこともないというのだ。
「それこそ大粛清みたいな」
「ソ連のやね」
「スターリンのそれはえげつなかったな」
 シェリルが言って来た。
「ほんまに」
「もう誰でもスパイと言われたら終わりで」
 綾乃はシェリルにも応えた。
「それでほんまに」
「片っ端から捕まってな」
 それこそ政府の要人から一般の人民に至るまでだ。
「死刑になってや」
「殆どその場で」
「運がよくても収容所送りやった」
「シベリアとかの」
「強制労働もさせられる」
「そんな風やったね」
「けど三星連合は犯罪者だけがや」
 まさに彼等のみがというのだ。
「強制労働をさせられる」
「それは十星連合もやしね」
「犯罪者、凶悪犯の人権なんてな」
「ほんま考慮することないし」 
 綾乃も言った、この考えは十星連合も同じである。
「それでな」
「それはええね」
「確かに三星枢軸は民を厳しく働かせてる」
 このことは事実だというのだ。
「そやけど強制労働やなくてな」
「ちゃんと豊かになったらその分は民に入るし」
「税もな」
 これもというのだ。 
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