感染症は痛快か
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三章
「もうな」
「どうしようもないか」
「ああ、マスコミが確信犯で嘘書いてな」
そうしてというのだ。
「それを事実だって報道したらな」
「もう終わりだよな」
「ずっとやってきて今もでな」
「今話している人ばかりだとか」
「もう自浄能力なんてな」
組織内のそれはというのだ。
「全くな」
「期待出来ないか」
「転職するか他のマスコミの方に行くか」
「そうした方がいいか」
「ああ、もう毎朝はな」
この新聞社はというのだ。
「未来はないな」
「やっぱりそうか」
「ああ、諦めた方がいいかもな」
こう記者に言った、それも真顔で。記者もそう言われて真剣に考えたが。
暫くしてだ、筑紫は。
感染症を世界の国家元首という権力者達も恐れ慄くある意味において痛快な存在なのではないかとツイッターで無神経に書いた、すると。
それを見た者達はネット上で口々に言った。
「こいつ頭おかしいのか?」
「これで五十代かよ」
「テロリストの論理じゃねえか」
「どれだけの人が死んだと思ってるんだ」
「世界中大変だろ」
「問題わかってんのか」
「また毎朝かよ」
こう口々に言い書き込んでだった。
ネット上で大騒ぎになり世界中に通報された、すると。
筑紫は自分のツイッターのアカウントを削除してだ、社内で同期の者達に言った。
「いやあ、ネットの連中って鬱陶しいな」
「全くだな」
「俺達が書いたことに一々目くじら立ててな」
「文句言ってきれ言い回って」
「ネチネチとずっと言ってな」
「俺達の行動も嗅ぎ回ってな」
「そんなの書いてもいいだろ」
筑紫は悪いとも思わず言った。
「別にな」
「そうだよな」
「何が悪いんだ」
「感染症のこと書いてな」
「一々騒ぐこともないだろ」
「黙って俺達の記事読んで信じてろよ」
「それで最近政府がまた自衛隊のことで動こうとしてるからな」
筑紫はここで話題を変えた。
「だからな」
「ああ、また筆誅加えてやるか」
「社長もそう言ってるしな」
「どんな記事がいい?」
「また忖度で書くか?」
「最近あっちもネットが五月蠅いけどネタになるしな」
「あれでいくか」
こんなことを話していた、それを聞いてだった。
記者はいよいよだ、友人に言った。
ページ上へ戻る