突然いなくなった理由
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第一章
突然いなくなった理由
マロリン=ダイバーは栗色のロングヘアに整った顔立ちとグレーの目を持つ小柄でスタイルのいい女性だ。ニュージーランドアレクサンドラで両親と一緒に牧場を経営している。
その彼女が今焦っていた。
「ルイがいないわ」
「こっちにもだ」
「こっちにもいないわ」
両親のウィリアム口髭の初老の大男の父と母のミリア娘そっくりの彼女も困った顔で娘に応えてきた。
「牧場中探してね」
「近所も探したがな」
「一体何処に行ったのかしら、けれどもう夜だし」
マロリンは懐中電灯を片手に言った。
「またね」
「明日だな」
「明日探しましょう」
「捜索願いも出そうかしら」
こうも考えてだった。
一家で不安乍らも休んだ、そしてだった。
翌朝また一家の牧羊犬の中でも十二歳で最高齢のルイ、雄で顔が茶色で黒い毛で垂れ耳のセントバーナードに似た彼を探そうとしたが。
「ワン・・・・・・」
「あっ、ルイ」
家の方にだ、そのルイがいた。そしてだった。
ルイはマロリンの前に来るとぐったりとして眠りだした、マロリンはその彼を見るとすぐに両親を呼んだ。
「お父さんお母さん、ルイが来たわ」
「ルイが帰ってきたのか」
「そうなの」
「ええ、今ね」
まだ家の中にいる両親に玄関の扉を開けて告げた。
「帰って来たわ」
「ああ、本当だな」
「そうね」
両親も玄関に来てルイを見て言った。
「ルイね」
「間違いないな」
「只物凄く疲れてるみたい」
ぐったりとして眠っている彼を見て言った。
「これがね」
「まさか一晩中彷徨っていたのか?」
「迷子になって」
両親はまずはこう考えた。
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