X ーthe another storyー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二十七話 集結その九
「凄く優しいのよ」
「自分は気付いていないだけで」
「人の痛みを感じないって言っても」
時分自身はというのだ。
「違うんだ」
「桜塚護ではないんだね」
「星ちゃんよ」
「彼はあくまでだね」
「そうであってね」
そしてというのだ。
「きっと昴流ちゃんをね」
「護るんだね」
「そうするよ、けれど私は」
「二人共だね」
「何とかね」
「生きられる様にしたいんだね」
「罪は罪だけれど」
このことは事実だがというのだ。
「けれど償えない罪はそうはなくて」
「救われるべきだね」
「人間だったらね」
「彼は人間だよ」
牙暁は目を閉じて答えた。
「紛れもなくね」
「そうよね」
「人間は姿形じゃないんだ」
それでなるものではないというのだ、牙暁は一旦閉じた目を開いてそのうえで北斗に対して語った。
「心だよ」
「そうだよね」
「例え姿形が人間でも」
そうであってもというのだ。
「心が怪物だとね」
「怪物になるね」
「世の中そんな人もいるね」
「私も見てきたよ」
かつてはとだ、北斗も答えた。
「そうした相手をね」
「そうだね」
「それで星ちゃんはね」
「あくまでだね」
「人間よ」
こう牙暁に答えた。
「紛れもなくね」
「だったらね」
「救われるべきだね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「またね」
「彼とだね」
「一緒にいて欲しいの」
「それが君の望むことだね」
「一番ね」
「では僕は」
「そうなる様にだね」
「動くよ」
北斗に答えた。
「夢の中でね」
「星ちゃんにお話してくれるのね」
「そうするよ、ただ」
「運命はよね」
「彼が死んで」
そしてというのだ。
「地の龍のままでいるよ」
「桜塚護のままよね」
「若しくは相打ちで」
そうなってというのだ。
「消え去るか」
「二人共ね」
「そうなるかだよ」
「運命ではね」
「そうだよ、けれど運命は」
牙暁はこのこと自体にも言及した。
ページ上へ戻る