X ーthe another storyー
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第二十七話 集結その三
「そしておじさんもな」
「お父さんまだ退院出来ないから」
「そうだな」
「宮司さんと巫女さんは来てくれてるけれど」
「そうなのか」
「今お家に帰ってもね」
小鳥は神威に答えた。
「いるのはね」
「小鳥だけだな」
「それでも私戻るわ」
その神社にとだ、小鳥は微笑んで答えた。
「だってお父さんが戻って来て」
「封真もだな」
「絶対に戻って来るから」
そうなるからだというのだ。
「だからね」
「戻るか」
「明日にでもね」
「そうするか」
「ええ、神威ちゃんはどうするの?」
「俺も部屋があるからな」
神威は小鳥の今の問いに答えた、澄んだ穏やかな表情でありそこには東京に戻って来た時の様な全てを拒絶するものはなかった。
「落ち着いたらな」
「戻るのね」
「そして学校にもな」
そちらにもというのだ。
「これまでも通っていたが」
「これからもなの」
「通う」
そうするというのだ。
「そうする」
「そうなのね、私もね」
「学校にか」
「明日から通うわ」
「そうするんだな」
「やっぱり学生だし」
自分の立場はというのだ。
「それに皆何よりも神威ちゃんと一緒にいられるから」
「だからか」
「お弁当も作るから」
小鳥は笑顔でこちらもと言った。
「だからね」
「安心してか」
「そう、一緒にね」
「学校に行ってか」
「一緒にね」
「いるか」
「そうしよう」
「ああ、そうしよう」
神威も笑顔で応えた。
「一緒にな」
「また学校に行こうね」
「それが出来て嬉しい」
小鳥と向かい合いこうも言った。
「生きていてくれて」
「私も。生きていてね」
「二人でいられるだけでもな」
「凄く嬉しいわ」
「人はこんなものか」
神威はふと思って言った。
「些細なことでな」
「幸せを感じるのね」
「そうかもな、小鳥が生きていて一緒にいられる」
「何でもない様なことで」
「それだけでな」
まさにというのだ。
「本当にな」
「凄く幸せよね」
「ああ、それじゃあな」
「これからもね」
「一緒にいよう」
「そうしていこうね」
「そして戦いもな」
これもというのだ。
「やっていく、だが」
「誰も死なせないのね」
「そうしたい、仲間はな」
「天の龍の人達は」
「俺はその為に戦う」
こう言うのだった。
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