ハッピークローバー
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第八十七話 妹の受験その八
「そこまで酷い人はね」
「一体どんな人生過ごしたのか」
「わからないね」
「そこまでね」
まさにというのだ。
「思うわ」
「僕もだよ、親の顔が見たいとか」
「思うわよね」
「どんな教育受けたらね」
「そんなこと出来るか」
「うん、ただこの人ね」
その食べた後の茶碗に痰を吐いた輩はというのだ。
「お仕事してもすぐに明日から来なくていいってね」
「言われるのね」
「仕事中ぼーーっと上向いて立ってるだけで」
そうしてというのだ。
「動いても最後で一番楽なお仕事を鈍重にね」
「やるだけなの」
「そんな風だから」
「すぐにクビになるのね」
「そうみたいだよ」
「全然何にもならない人ね」
「そうみたいだね」
古田は眉を顰めさせて話した。
「この人は。何か平日のお昼に幼稚園覗いてたとか」
「それはね」
理虹はさらに引いた顔になって応えた。
「通報ものね」
「うん、僕もここまで聞いて思ったよ」
「とんでもない人だって」
「もうね」
それこそというのだった。
「お茶碗に痰吐く位だと」
「他のことでも酷いのね」
「何でもこの人国立大学出てるらしいよ」
「大学で人の出来って決まらないわね」
「このお話聞いて思ったよ」
古田は心から言った。
「僕もね」
「そうよね、そんな人でもね」
「学校の勉強が出来たら」
それだけでというのだ。
「いい大学にもね」
「入られるのね」
「それで普通の学校は入ったら」
それが出来ればというのだ。
「卒業もね」
「出来るわね」
「日本の学校はね」
「外国は違っても」
「日本だとね」
「そうだし」
「そんな人でもね」
それこそ勉強が出来ればというのだ。
「それでね」
「公立大学卒業ね」
「けれどこんなのだよ」
「人ですらないわね」
「他にも食器親切で下げたら」
そうすればというのだ。
「次に無言で差し出すらしいし」
「いや、図々しいでしょ」
「優しくしたら付け上がるっていうか」
「そんな面もあるのね」
「もう兎に角ね」
それこそというのだ。
「どうしようもないよ」
「学歴だけで」
「それで今定職にもね」
「就いてないのね」
「何か生活保護でね」
この制度でというのだ。
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