ハッピークローバー
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第八十七話 妹の受験その六
「今会ったけれどね」
「そうだよね」
「ううん、よくないわね」
「部活は一緒でもね」
「昨日と一昨日は部活なくて」
「僕達行ってなくて」
「明日はあるけれど」
豚利が所属する陸上部の部活はというのだ。
「けれどね」
「それでもだね」
「前に会ったの三日前だし」
「付き合ってそれはね」
「駄目ね、それなら」
どうかとだ、理虹は少し考えてから古田に提案した。
「今度デートする?」
「それで埋め合わせするんだ」
「再起会ってないね」
「そうだね、それじゃあね」
「何処か行きましょう」
「じゃあ何処に行こうか」
古田はそれならと応えて言った。
「通天閣とか」
「あっ、いいわね」
通天閣と言われてだ、理虹はそれはという顔で応えた。
「通天閣ね」
「あれっ、いいんだ」
「実は毎年行ってるけれど」
通天閣にというのだ。
「今年まだだから」
「それでなんだ」
「言われてみたらでね」
「行こうかってなったんだ」
「あそこもデートで行けるし」
そうしていい場所だからだというのだ。
「丁度いいわね、それにね」
「それに?」
「私新世界も好きだし」
通天閣があるその場所もというのだ。
「賑やかだし」
「ああ、あそこも好きなんだ」
「あまり女の子の行く場所じゃないかも知れないけれど」
「確かに賑やかだね」
「だからね」
それでというのだ。
「それじゃあね」
「通天閣行くんだね」
「それで串カツ食べる?」
理虹は笑ってこの食べものの話もした。
「そうする?」
「ああ、あそこ串カツ屋さんもあるね」
「もっと言えば難波にも結構あるけれどね」
串カツ屋はというのだ。
「新世界にいいお店あるし」
「それじゃあ通天閣行って」
「その帰りにね」
その時にというのだ。
「串カツ食べよう」
「いいね、ただね」
古田は理虹に応え笑ってこうも言った。
「くれぐれも二度漬けはね」
「駄目よ」
「それをしたらね」
串カツをソースに二度漬けすることはというのだ。
「間違ってるよ」
「人間としてね」
「これはね」
「誰でもやったら駄目よね」
「そうだよ」
そう言っていい所業だというのだ。
「本当にね」
「ええ、私もね」
理虹もそれはと答えた。
「何があってもよ」
「しないね」
「お父さんとお母さんにも言われたわ」
両親にというのだ。
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