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ハッピークローバー

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第八十七話 妹の受験その三

「わからないわよ」
「お姉ちゃんも同じね」
「覚醒剤とかね」
「やったら駄目よね」
「コカインでもヘロインでもね」
「一緒よね」
「何か種類によって効果が違うらしいけれど」
 麻薬の種類によってというのだ。
「どっちにしてもね」
「あんなのするものじゃないわね」
「それで不倫もね」
 今度はこちらの話をした。
「やったらね」
「とんでもないことになるわね」
「裁判だ慰謝料だとか」
「よく聞くわね」
「いいことなんてね」
 それこそというのだ。
「ないから」
「するものじゃないわね」
「芸能界ってどっちも聞くけれど」
 他の世界に比べて多いというのだ。
「そういうのしなかったらね」
「お姉ちゃんはいいのね」
「別にね」 
 こう妹に話した。
「私はそう思うわ」
「不倫も嫌よ」
 実加もそれはと断った。
「というか浮気するなら」
「だから浮気が不倫でしょ」
「いや、女の子でいいんじゃない?」
 姉に考える顔で話した。
「それで」
「レズ?」
「彼氏や旦那さんは男の人だから」
「別の相手はなの」
「女の子だったらいいでしょ」
「他の男の人と浮気しなかったらいいっていうの」
「レズでその人が一人ならいいでしょ」
 こう姉に言うのだった。
「それなら」
「そうかしら」
「私はそう思うけれど」
「それは違うんじゃない?」
 理虹は首をひねりつつ答えた。
「流石に」
「レズでも浮気?」
「そうでしょ」
 こう妹に言った。
「それでもね」
「そうなるかしら」
「相手が誰でも浮気は浮気でしょ」
 例え性別が違っていてもというのだ。
「やっぱり」
「いや、性別が違ったらね」
 それならとだ、実加は姉に反論した。
「浮気にならないでしょ」
「そうかしらね」
「私はそう思うけれど」
「何か違う様な」
「違うのはお姉ちゃんでしょ」
「いや、あんたでしょ。というかね」 
 妹をどうかという目で見て彼女に問うた。
「あんたそっちの趣味あるの?」
「だから浮気するならよ」
「女の子相手にするっていうの」
「そう言っただけでね」
「そうした趣味はないの」
「別に否定しないけれど」
 同性愛、それをというのだ。
「私にはね」
「その趣味ないのね」
「女の子は友達で」
 そうした関係でというのだ。
「恋人とか奥さんとか旦那さんとか」
「同性婚ね」
「そういう相手にはね」
「思えないのね」
「ええ、ただ男の娘はね」
 ここでだ、理虹は。
 一呼吸置いてそれからにんまりと笑った、そのうえで姉に話した。 
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