超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第三百八十話 AZUMA山荘へ その2
第三百八十話 AZUMA山荘へ その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。
AZUMA山荘へと帰る道の途中、強烈な疲労感に襲われた俺はホテルで休息をとることにする。
ホテルに行く途中で見た、奇妙な景色の数々。
紅軍連合による原子力発電所襲撃の影響による常時停電状態。
常時停電状態による通勤ラッシュのない早朝の町の様子。
炎に包まれた木白崎原子力発電所への、消防隊による放水作業。
ホーシャノウ汚染の恐怖に怯えながらも、俺は抗えない眠気にその身をゆだねるのだった。
目を覚ました俺は、シャワーを浴びる。
「あ、あったかい...!」
シャワーからお湯が出るということは、日本各地の原子力発電所の原子炉が再稼働したということだ。
普段、山暮らしをしている俺にとって、久々に浴びるシャワーは、とても気持ちがよかった。
原子炉の再稼働を確信した俺は早速、テレビの電源をつける。
俺の予想通り、テレビニュースはどれも、紅軍連合の原子力発電所襲撃事件の話題を報道していた。
木白崎原子力発電所が爆発したとの情報も入ってこない。
テレビニュースのコメンテーターが今回の原子力発電所襲撃を無意味であると揶揄する。
しかし、俺たちのしたことは、けっして無意味ではない。
確かにこうして、原子炉は再稼働し、マスメディアはいつものサイクルを取り戻した。
ゴミクソバカ野郎のセージカどもにとって都合のいい情報が真実として、国民たちに伝染していく負のスパイラルが再開される。
しかし、今回の事件による長期の停電状態で世間の人々は思い知っただろう。
原子力発電に依存していることの危うさを。
その原子力発電所が、ああも易々と素人集団の紅軍連合に、一時的とはいえ、制圧されてしまったことを。
俺たちの原子力発電所襲撃作戦は、今の日本に原子力へ依存の危うさと、原子力発電所の警備の脆弱さを証明したのだ。
そして、なにより、今回の作戦によって、日本国内全9基の原子力発電所の内の一つ、不化島第一原子力発電所から、多量のホーシャノウが流出したのだ。
おそらく、不化島第一原子力発電所の制圧作戦に参加していた紅軍連合の戦士が、何らかのトラブルにより発電所内で、爆弾を爆発させてしまったのだろう。
不化島第一原発から漏れたホーシャノウは多量ではあるが、国民に害を与えるほどの量ではないらしい。
現在、不化島第一原発に出動している消防隊が防護服を身にまとって除染作業をしていることだろう。
しかし、ニュースの報道を見る限り、爆発直後に不化島第一原発で作業をしていたスタッフから何人が死人が出ているらしい。
不化島第一原発での作戦に参加した同志の生存も絶望的だろう。
ニュースで得た情報を整理するとこうなる↓。
木白崎原子力発電所の消火活動の成功。
不化島第一原資力発電所で爆発、多量のホーシャノウが流出、現在、消火・除染作業中。
他7基の原子力発電所制圧作戦に参加していた者たちのほとんどが逃走中。
逃走に失敗した何人かの同志がケーサツに逮捕。
ホーシャノウに汚染された不化島県に住んでいる方々には、たいへん申し訳ないが、これも原子力発電に依存してきた者の末路である。
不化島県の人々はこれから、ホーシャノウ汚染を免れるために、よその県へ移住するしかない。
そして移住先ではきっと、不化島県から来たというだけで差別されるに違いない。
かつて、第三次世界大戦での原爆投下によりH県とN県で被爆した人々も、県外の人々からひどい差別を受けたと証言している。
人の命を奪うだけでなく、生き残った人々の人生すら、むしばむ毒のごときホーシャノウ。
我々が依存している原子力とはそういうものなのだ。
俺は逃走に成功した皆が無事にAZUMA山荘に到着できることを祈り、身支度を整える。俺も帰るんだ。
みんなが待っているはずのAZUMA山荘に、俺の居場所に。
俺は作戦前から常備していた武器と、敵兵から奪った武器を積んだ荷物を身に着けて、ホテルを出た。
先程まで、静寂に満ちていた町も、原子炉の再稼働による電力の復旧により、社会人という名の生けるしかばねどもの群れでいっぱいになっていた。
普段の日常を取り戻した町の風景に俺は不思議と安堵していた。
度重なる命の奪い合いによって、俺の心は無意識のうちに平穏を求めていたのかもしれない。
しかし、上空から飛行機の轟音が聞こえてくる。
その音が、再び、俺の脳内を現代社会の抱える矛盾への怒りと憎しみが覆いつくす。
そう、異国の列島種族どもに、神聖な新日本の土を踏ませる、悪魔の箱舟である飛行機の音が、耳障りだった。
次回予告 潜伏生活 その1
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに
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