魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第二百七十七話
前書き
なんで一夏達磨のままなん?再生は?という意見がありました。
ここで少し説明しますと、優先度の話です。
この作品はIS、ガンダム、魔法科の3本を軸に化物語やまほ嫁をクロスオーバーさせてます。
この中の力でもっとも優先度が高いのがガンダム世界のサイコフレームによる現実改変。次が化物語世界の吸血鬼の力。最後に魔法科由来の魔法=まほ嫁の魔法です。
優先度の強さはどのくらい”時間に対し干渉できる”かどうかです。
私の中の設定では時間すら超越するサイコフレームの現実改変は他の全ての現実改変より優先されます。また魔法科やまほ嫁の魔法は高次元の力を使うサイコフレームとは違い、あくまで”この世界の人間が法則に則っておこす奇跡”です。
なのでサイコフレームの暴走事故で砕けてサイコシャードに取り込まれた一夏の手足は魔法科の再生や吸血鬼の治癒力では戻りません。
サイコフレームの「わけがわからない感」が出ていいかなって思ってたけど、説明不足でした。すいません。
3月中頃、日本、某地方都市。
「ふふ、ふふふふ、ふふふふふ」
「どうしたんですか?お姉様?」
「いつになくご機嫌ですね」
「いや、なに。少し、変わるきっかけがあってな。
今までよりずっと、お前たちを愛おしいと感じるようになってな」
と全裸の箒が同じく全裸の少女を両脇に侍らせて応える。
自分の上に乗り、寝息を立てる少女の頭を撫でながら。
ラブホテルの一室。
淫靡な内装。慣れ親しんだベッド。
この場の支配者は、紛れもなく箒だった。
「という事があった」
昼食を食べながら、午前の女子会の様子についてざっくりと箒が説明した。
「堂々と浮気宣言とは随分と図太くなったなぁ。ええ?
ただの女子会じゃあなかったのかよ?」
「女子会だぞ。女子会コースじゃなかったがな」
「補導されちまえ。さっきからやけに他人の匂いしてんのはそれか。ってか朝からお盛んだなぁオイ」
織斑家のリビング。
ソファに座った箒の膝の上。
豊満な双丘をネックレストにして一夏が箒に文句を言う。
いや。一夏が箒の胸に頭を置いているのではなく、箒が胸で一夏の頭を抑えているのかもしてない。
胸の間に置かれた頭のてっぺん。
ぴこんと立った猫耳。
ふにふに、さわさわ、しゅりしゅり。
両手で一夏の猫耳を弄ぶ箒。
「これが上位者の視点か。悪くない」
「自惚れるなよ小娘」
「その小娘に抱き抱えられながら言われてもなぁ」
と一夏に巻き付き、首元や腹をくすぐる計”6本の尻尾”。
つい先日まで4本だったものが一気に6本である。
人を殺し、人を喰い、人を超越したと”自覚した”ことで至ったのである。
「箒。それはお前が人外へ至ったからじゃなく、単純にパワーアップした心の余裕だ。
より圧倒的な力の前じゃ無意味だから、慢心するなよ」
「正直お前以外に負ける気はせんな」
「ガチモードの暦さんぶつけんぞテメェ」
そう言いつつ、たぶん箒が勝っちゃうんだろうなぁと思う程には一夏はアホなのだ。
「私はお前以外に組み敷かれるのは嫌だぞ?」
「そういう話じゃない」
「よく目が見えるようになったし、風の音も、空気の揺らぎも感じられるようになった。
メティスサイトには到底及ばないのはわかっているが、それでもお前に少し近づけた気がして嬉しいんだ。一夏」
「で、それが我が主様のベッドの上で悶えておる理由か? 我が弟よ。
思春期のガキか。いや思春期のガキじゃったな。
しかもお主思い切り口説かれとるではないか。
男じゃろ。中身が成り相応になっとるぞ」
「いやだってさぁ!!」
ところ変わって阿良々木家の暦と育の部屋。
一夏は、暦のベッドで悶えていた。
「そんな事言われてみろよ!きゅんきゅんしちゃうだろ!」
「乙女か!」
「姉上にはわかんないだろうな!もふもふの尻尾で絡め取られて脳髄を溶かされるような囁きを流し込まれる幸せが!」
「なんでいちいち詩的で微妙にきっしょい言い回しなんじゃ」
「しょーがねぇだろ。コイツは半端者なんだから。今や半分幼女さ」
ぬっと影から奏が出てくる。
日本国首相の対応をISコアに丸投げし、春休みを満喫する一夏は、暦の家を訪れていた。
「ちゅーかなんでお主復活しとるんじゃデス。こやつと互いに縛っておるんじゃないのか?」
「そりゃあコイツが吸血鬼化したままだからだ
よ。見りゃあ分かんだろ」
姉上が俺と奏の間に視線を往復させる。
「いやいやこやつおもっくそ直射日光浴びとるではないか」
一夏、奏、忍がベッドの上できゃいきゃいしていると、部屋のドアが開いた。
「仲がいいのは結構だけど、あんまり僕のベッドで暴れないでくれ」
一夏の6本の尻尾で雁字搦めにされた忍を一瞥し、暦は飲み物の乗ったトレイを机に置いた。
「また増えてるなぁ。九尾も近いかな」
「この間箒が至ったからね。吸血鬼の主従と同じく力の循環で押し上がったのさ」
「へぇ。じゃあ箒ちゃんも尻尾増えたんだ。さらにゴージャスになったかな」
化け猫の伸縮自在の尻尾が忍に絡みつき、くすぐる。
「おいお前さまぁ!」
「そろそろ触手物っぽくなってきてるし離して上げなよ」
「え、やだ」
そこで忍が関節を外し、首を落とす。
首元を擽っていた尻尾を咥えた。
「フニ”ャアァァ⁉」
思わず尻尾が緩む。
一瞬で形勢逆転し、今度は一夏が忍に伸し掛かられ、耳をいじられる。
「ふやああぁぁぁぁぁぁぁあ⁉」
無駄に高度な身体変形で触手化した忍の人差し指が一夏の耳を蹂躙する。
「ほーれほれどうじゃ弟よ。ここじゃろ。お主の弱点は金髪ロシア娘から聞いておるぞぉ」
「にゃに教えてんだリムうううゥゥ!!」
ニャァニャァギャァギャァと姉弟がじゃれていると、別の人物が部屋に入ってきた。
「いい年こいて何してんのさ二人とも」
無表情で、それでいて呆れたような雰囲気の少女。
いや、童女。
「あ、コタンジェント」
一夏と忍がじゃれ合いをやめて、顔を見合わせる。
一瞬だ。
アイコンタクトからの一瞬で一夏が余接の背後を取る。
尻尾で余接を捉えようとした瞬間。
「はいはいそこまで」
一夏の後ろ襟を暦が引っ張り上げた。
「ゔにゃ"あ"あ"あ"あ"⁉」
やんのかぁ?おおん?と暦に唸る一夏。
「二対1はバランスが悪いだろう。あと話が進まないからいい加減本題に入ろう」
「自分はさんざん寄り道する癖に!」
「ユートピアの言う通りじゃぞお前様!」
「僕は約束の時間に遅れた事は無い!」
閑話休題。
「で、鏡の国はどうだった?」
「なんで話す前から知ってたのかは置いとくとして、まぁ、思う所はあったよ」
一夏はベッドであぐらの奏の膝の上。
忍は勉強机に座った暦の膝の上。
余接はバナナ型ソファの上。
5者5様に座り、報告が始まった。
「ちなみに俺は未来予知で街から逃げさせて貰ったZE!
俺のダブルとか災厄以外の何者でもないからな!」
「中二病かよ」
「おいおいコタンジェント。そう言うなよ。コレとコレのダブルを見たあとじゃビビっちまうよ」
暦に対して尻尾で器用に矢印を作って向けながら一夏が言った。
余接はじっと暦を見て。
「それもそうか」
「斧乃木ちゃん?」
「なんだいロリコン?」
暦がグゥと黙る。
「他に、俺たちが街を離れてる間に変わったことはあった?
怪異関連とかで」
「鏡の国の続きだけど、北白蛇神社に御神体の鏡が置かれたのと、八九寺が大人バージョンになれるようになったことかな」
「へぇ。それはロリコンの暦さんにとっては残念だったね」
「けしてそんなことはない」
「ま、今までは手籠にできると思ってた相手に逆転されるのも、見てる分には乙なものか」
「人聞きの悪い事を言うな。そっちこそどうなんだ」
と暦が一夏の六本の尻尾を指して問う。
「ま、こっちの進展はニュース見てくれ」
一夏が言ったのはカンヘリアについての進展だった。
日本国外交団との交渉。
技術供与をエサにほぼすべての要求を日本国外交団に飲ませ、難民のための国カンヘリア建国を高らかに宣言した。
ついでに国連への批判も世界中に放送した。
これに対し、国連主要国、特に米国が反発。
米軍が保有していた地雷兵器が風化した事に対する損害賠償を国連裁判所でおこした。
その事自体にも批判が集まっているのだが。
「その途中、外交団受け入れ前の大掃除で箒が六尾になったよ。
もっふもふもふだよ。後光かってくらいもっふもふもふだよ」
「ふむ。六尾の狐と化け猫か」
余接が一夏に視線を向ける。
「寺社仏閣で祀られても不思議じゃないし、田舎なら土地神として周囲一帯を支配してあまりある大妖怪クラスだね。
篠ノ之箒ですら、ちょうど1年前のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとならいい勝負出来そうなくらいだ」
「問題は、まだ精神的に幼い点だな。今は自分の中に渦巻く力とそれによる全能感に酔っている状態だ」
「君の時はどうだったんだい?その吸血鬼の力を得て」
暦が問いかける。
「俺のときは……」
とそこで一夏が話すのを一瞬ためらった。
「俺のときは、この吸血鬼の力を得てすぐに人生の当面の目標を達成したからね。
全能感は燃え尽き症候群で一緒に燃えたよ」
一夏は吸血鬼の力を得てすぐに、両親の敵であるヴィーティングを惨殺し、それまでの人生の目標の一つを達成したのだ。
「ところでユートピア、臥煙さんには言ったの?」
と余接が尋ねる。
「言ってるよ。いい顔はされなかったけどね」
「そりゃあそうだろう。ユートピアと篠ノ之箒が結託すれば、一国を滅ぼせるくらいの怪異だよ」
「しないよ?少なくとも国家を相手取るときに怪異の力は使わないよ?」
「お前のISの中身言ってみろよ。マギウスとかいう式神を使ってるだろ」
「ISにマギウスは使ってないよ。あれはマクスウェルの悪魔としての権能しかないんだ。
マギウスはこの間日本政府との交渉材料にした天候制圧兵器のマクスウェル機関に入ってるよ」
「なおのこと悪いだろ。なぜ臥煙さんはソレを許すんだよ」
「んー?高度に発展した科学が魔法と見分けがつかないからさ。
マギウスの元になる精神エネルギー体を取り出すのにブラックホール爆弾を使ってる。そこに呪術的な手段は用いてない。
その場には臥煙もいたよ。ヤツ立会のもとでマギウスは作成された。
天候制圧兵器の件は深海の潮目に配置する事で科学的に天気を操るからさ。」
「チッ」
「ま、俺と箒のISの人格は式神化した動物霊なんですけどね」
「アウトじゃねーか」
一夏がはてなのジェスチャーと共に顔をそらす。
「それと暦さんの彼女はウチでガンガン働いてるよ。基本的には頭脳労働だし、環境も空調完備、衣食住は若干デストピアというか近未来SF、給与は、まぁ、うん、後払いだが許せ」
「おい労働基準法」
「今渡してどーすんのさ。店もなんもねーんだぞ。後でちゃんと貴金属で払うさ。たぶん、金インゴットで。
ウチでの契約期間終わったら、世界中旅するらしいから、兌換紙幣より貴金属のほうがいいでしょ」
日本政府との交渉で翼はアドバイザーとして様々な助言をした。
主に、感情面で。
ISコアは魂の鋳型こそ人間だが、物理的で有機的な肉体を持たない。
それによって生まれる”理性以外の差異”を埋めるのが翼の仕事である。
「ああ、あと暦さんこれお土産」
一夏が量子展開したのは鹵獲した拳銃とアサルトライフルと弾だった。
ベッドの前にごちゃっと置かれる。
メーカーも採用国も違うものが数丁ずつと、それぞれに対応した弾丸だ。
「あげるよ。この先物騒になりそうだし」
「いらないよ。どこに隠しとくのさ」
「影に入れとけば?姉上なら影に部屋くらい作れるでしょ」
「使えないし」
「”教えた”はずだよ?」
はぁ、と暦がため息をつく。
「一応姉上のコアに入れとくこともできるよ」
「そうだな。じゃあそうしよう」
「そうしとけば僕は使えない。とでも思ってるね暦さん?
残念ながら、姉上のコアの登録者は姉上じゃなくて貴方だよ。
姉上はコアの主人格であってパイロットじゃない。
貴方が一言『展開』と唱えれば貴方はISを纏うことができる。
第2世代相当の、陸戦汎用重装型ISグスタフ・カールを」
「ISは女性にしか使えないんじゃないのか?」
「じゃあなんで俺が使えてるんだよ。あれは管理者権限でロックしてるだけさ」
「なんでそんなことを」
「この世界のバカをあぶり出して争わせ一掃するため、かな。
女性にしか使えない兵器。それによって女性の地位は上がり、威張り散らすだけの無能な男どもは一掃されつつある。
そして今現在、自分で使えもしないくせに女性というだけで優越意識を持っている攻撃的で無能な女どもが炙り出されつつある。
そういう輩は、有能な、きちんと物事を理解できる男と女によって排斥されるだろう。
ま、もしそうならなかったら人類はそれまでの存在だったって訳さ」
けらけらと笑う。
「ま、暦さんくらい優秀なら、どんな世の中でも居場所はあるだろうけどね」
4月
「まさかこんなバカが湧いてくるとは。
いや、まぁ、そっち方面を一切警戒してなかった俺が悪いな。
バカはバカなりに頑張って、バカをやったんだ。
それでバカの思い通りになっちまったって事は、俺の負けだな」
そう口に出しながら、中学の校長室をあとにする。
キィキィと甲高い怒号を背に教室に猛ダッシュ。
ガラララララ!とドアをあける。
「性行不良による出席停止処分!校長お墨付きでサボり放題だぜヒャッホォォォ!!
って訳で帰るんでそこんところよろしくね先生!」
ヒラヒラと処分通告書を見せびらかすと、ぽかーんとしているクラスメイトをよそに、一夏は自分の荷物をまとめる。
カバンを背負うとカラカラと窓をあけ、窓枠に飛び乗った。
「じゃ、しばらく来ないと思うから、皆元気でな」
校舎3階の窓から飛び降りる一夏。
焦った担任が窓に駆け寄る。
一夏は綺麗な着地を決め、上履きのままスタスタと歩いていった。
中学3年生始業式の午後の事である。
そこでポツリと弾が呟いた。
「マジか。アンブリッジかよあのババァ」
中学3年生の始業式。
文科省も教育委員会もねじ伏せて急遽赴任してきた校長は一夏を排斥するために送り込まれた刺客であった。
後書き
いや、もう進捗出せとか国際学会に論文投稿しろとか教授がうるせぇのなんのって。シミュレーションとか知るかよ実機が動けばそれでいいじゃねぇかよ巫山戯んなよマジで。
失礼。取り乱しました。次回はR18の予定。あでゅうー。
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