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イベリス

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第百七話 秋がはじまりその七

「私達からしてみれば運がいい時にね」
「お会い出来るんですね」
「その人とね」
「そうなんですね」
「だからね」
 それでというのだ。
「今日咲っちがお店行ってね」
「運がよかったらですね」
「その店長さんにお会い出来るわ」
「凄い美人の魔術師さんと」
「そうよ、ただ美人過ぎて」
 先輩は笑って話した。
「敵わないってね」
「思うんですね」
「私としてはね」
「そうですか」
「どうもね」
「敵わないですか」
 咲は先輩に問うた。
「そう思われますか」
「それ以上に別の世界の人ってね」
「思われるんですね」
「ええ、美人過ぎるとね」
 そうした人を見ると、というのだ。
「同性としてもね」
「別世界の人ですか」
「そう思えるのよ」
「ちょっともう一回それも念入りに」
「お姿拝見するのね」
「そうしてきます。道玄坂なら」
 咲は自分達の店が109のビルの中にあることから話した、このビルから道玄坂はすぐそこにあるのだ。
「すぐですし」
「それじゃあね」
「行って来ます」
「そうしてきたらいいわ」
「そこまで記憶ないですが」
 別次元の美人と認識するまでとだ、咲は述べた。
「ですがもう一回お姿拝見したら」
「わかると思うわ」
「そうですよね」
「色々レベルの高い人を見ることも」
 こうしたこともというのだ。
「人生の経験、勉強だしね」
「上には上がいるですね」
「あらゆることでね、下もそうだけれど」
「下には下がいるですね」
「そしてね」
 それと共にというのだ。
「上には上がよ」
「いるっていうんですね」
「井の中の蛙じゃなくて」
 大海を知らないというのだ。
「何でもよ」
「レベルの高い人を知ることですね」
「まさか自分の家に引き篭もって」
 そうしてというのだ。
「そこでふんぞり返って」
「自分が偉いとか」
「そう思うことはね」
「馬鹿なことですよね」
「井の中の蛙っていってもね」
 またこうした存在の話をした。
「実は蛙って壁に貼り付けるでしょ」
「それで出て行けますね」
「そう、それでわりかし活動的だし」
 蛙という生きものはというのだ。
「井の中の蛙はすぐによ」
「外に出ますね」
「そうなるものよ」
「そうなんですね」
「けれどずっと引き篭もってる人はね」
「そのままですね」
「蛙よりもね」
 この諺で悪く言われれいるこの生きものもというのだ。 
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