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ドリトル先生と桜島

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第八幕その十一

「まさにね」
「怖いね」
「まさに時代劇だね」
「時代劇のお話だね」
「隠密に抹殺とか」
「本当に」
「そう、密貿易を暴かれたりとか幕府に内情を知られたり隠密を見破る為にもね」
「薩摩の言葉はだね」
「ああして難しいものにして」
「聞いてもわからない」
「そうしていたんだね」
「そうだったんだ」
 まさにというのです。
「ああしてね」
「成程ね」
「よくわかったよ」
「そうした事情があったんだ」
「昔の鹿児島弁には」
「そうした訳があったんだね」
「そうだよ」 
 先生は皆に言いました。
「実はね」
「ううん、日本語がわかってもわからない言葉がある」
 ジップは思いました。
「そうなんだね」
「方言もわかりにくいものがあるしね」
 チーチーも言いました。
「どの国でも」
「イギリスでもコックニーはわかりにくいよ」
 ガブガブはこの言葉を思い出しました。
「英語がわかってもね」
「そういえば東北の言葉の訛も強いね」
 ホワイティはそちらに行った時を思い出しました。
「仙台も山形も」
「津軽の言葉が特にらしいね」
 老馬はこの言葉がと言いました。
「青森の」
「それで鹿児島の言葉もね」
「今も結構以上な訛だけれど」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「昔の鹿児島の言葉は」
「わからない様にしたんだね」
「それでだね」
「今私達が聞いてもわからないのね」
 チープサイドの家族は思いました。
「日本語なのね」
「僕達も日本語がわかるのに」
「いや、日本語の方言のバリエーションって凄いけれど」 
 ポリネシアはしみじみと思い言いました。
「そうした言葉もあるのね」
「いや、聞いて驚いたわ」
 ダブダブは実際驚いています。
「凄くね」
「特に僕達関西にいて」
 トートーは今暮らしている地域のことを思いました。
「そっちの言葉に慣れているしね」
「うん、日本語の方言はそれぞれ違っていてね」
「あえてわからない様に作った言葉もあったんだ」
「昔の鹿児島弁みたいに」
「そうであって」
「そうだったのね」
「そうだよ、わからない言葉は」
 本当にと言う先生でした。 
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