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新オズのリンキティンク

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第八幕その十

「この魚も好きじゃぞ」
「あっ、シーラカンスですね」
「外の世界でもいます」
「深海にいるんですよね」
「それであまり見付からないんですよね」
「只でさえ大昔からいる生きもので貴重なのに」
「この形がじゃ」
 ナターシャ達五人にお話します。
「面白くてのう」
「だからですか」
「シーラカンスお好きなんですか」
「面白い形だから」
「それでなんですね」
「お好きなんですね」
「左様じゃ」
 五人に笑ってお話します。
「大型の水棲爬虫類達も大好きじゃが」
「シーラカンスもですね」
「お好きで」
「ここで見られてですね」
「嬉しいんですね」
「かなり」
「そうじゃ、だからここもじっくり見ようぞ」
 こう言うのでした。
「これまでのところと同じくな」
「そうすべきだね、あとね」
 魔法使いが言ってきました。
「ここにはラッコもいればジンベエザメもいるからね」
「あの大きな鮫もか」
「そうだよ、さっきの巨大な水槽にもだよ」
「おったか」
「さっき私達は出会わなかったけれど」 
 それでもというのです。
「ちゃんといてね」
「皆が見ておるか」
「そうしているよ」
「ではあらためか」
「あの水槽に行ってね」
 もう一度というのです。
「見たらどうかな」
「それがよいのう」
「他には淡水生物のコーナーもあるしね」
「そっちでもじゃな」
「うん、行ってね」
 そうしてというのです。
「楽しもうね」
「それではな」
 リンキティンク王は笑顔で頷いてでした。
 そちらの水槽に戻りました、すると実際にです。
 ジンベエザメを見ることが出来ました、リンキティンク王はその巨大な鮫を見て上機嫌で言いました。
「ほっほっほ、実にじゃ」
「大きいですね」
「うむ、しかもじゃ」 
 クッキーに応えて言います。
「愛嬌のある外見であるのう」
「怖さはないですね」
「そうじゃな」
「王様好みですか」
「こうした生きものもな」
 実にというのです。
「好きじゃ」
「そうなんですね」
「だからな」
 それでというのです。
「ここでじっくりとな」
「見ますね」
「そうしようぞ、それにじゃ」
 さらに言うのでした。
「上の方にも大きなエイがおるぞ」
「あれはイトマキエイだね」
 カエルマンはそのエイを見上げて言いました、今回も魔法の光を浴びてそのうえで水槽の中にいるのです。 
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