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星河の覇皇

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第八十四部第三章 円明園の会議その二十四

「今ここでそうした国とは違い中央政府につく様な主張は駄目だ」
「各国政府を敵に回す」
「日本だけが敵でなくなる」
「しかも中央政府からは盾にされる」
「いいことなぞ何もないぞ」
「ならだ」
 ここで一人の痩せた一八〇と連合ではいささか小柄と言える男が言ってきた、黒の髪の毛はオールバックにしていて顔も痩せている、黒目は所謂ギョロ目でくぼみもありいささかゲッペルスを思わせる外見である。韓国外相である朴舜臣である。
 朴は考える顔であれこれ言うスタッフ達に言った。
「私が言おう」
「外相がですか」
「言われますか」
「この度は」
「そうだ、各国政府につくとな」
 毅然とした口調で言うのだった。
「ここはそれが国益になるとな」
「そうされますか」
「ですがそう言われるとです」
「外相が市民から批判を受けます」
「そうなりますが」
「構わない、批判に対してだ」
 やはり毅然として言う。
「説明する」
「これが国益だとですか」
「その様に言われますか」
「外相ご自身のお言葉で」
「そうされますか」
「そうする、これが出来ずして国益は得られない」
 朴は当然とした、そのことを。
「断じてな」
「だからですか」
「ここは各国政府にいると言われますか」
「日本と歩調を合わせる」
「そうされますか」
「大統領もそう言われている」
 国家元首である彼もというのだ。
「幸い大統領も反日ではないしな」
「ですね、確かに」
「今の大統領はそうした方です」
「では」
「ここは私が言ってだ」
 そしてというのだ。
「説明してだ」
「理解してもらう」
「韓国の今の国益を」
「それをですね」
「そうだ、詳しく丁寧にだ」
 その様にしてというのだ。
「話せばだ」
「それで、ですか」
「市民の人達もわかってくれる」
「そうだというのですね」
「世の中確かに会話の通じない人間もいる」
 朴はこのことにも言及した。
「それはな、しかしな」
「それでもですね」
「わかる人が多い」
「そうだというのですね」
「外相は」
「そうした人の方が遥かに多い」
 会話の通じる人間の方がというのだ。
「流石にな」
「それは事実ですね」
「世の中確かに会話の通じない相手もいます」
「そうした人はいますが」
「それでもですね」
「そうした人間は少数派なので」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「人は会話が出来るし我々の様な仕事がある」
「政治家もですね」
「政治家は言葉を出して生きているといいますが」
「実際にですね」
「外相もですね」
「そうだ、語る」
 市民達に対してというのだ、有権者である彼等に。 
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