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狼達への優しさ

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第一章

                狼達への優しさ
 カルフォルニア州で狼や狼犬を保護する動物保護施設を創設し経営している牧師のスティーブ=スターとポーラ=スターの夫婦は今自分達が暮らして活動しているカルフォルニアからオクラホマに向かっていた。二人共中年の白人で痩せている、夫は髭があり妻の髪の毛は長い。二人共ブロンドの髪で青い目で優しい顔立ちである。
 夫は妻に車を運転する中で言った。
「その子は雄でリグスというらしいよ」
「何でも誰かに飼われていたらしいわね」
「けれどそれがどういった理由か逃げ出して」
 飼われていたところからというのだ。
「それでね」
「狼を飼えない郡で保護されて」
「殺処分になることになって」
「私達が保護するのね」
「飼い主の人が見付からなかったら」
 リグスのというのだ。
「もうね」
「私達が保護して」
「そしてだよ」
「新しい家族を見付けてあげるのね」
「犬から狼になったんだ」
 夫はこのことも話した。
「そしてその子も飼われていたし」
「それならね」
「大丈夫だよ」
「若し新しい家族に迎えられることになっても」
 それでもというのだ。
「きっとね」
「幸せになるよ」
 こうした話をしながらだ。 
 二人でオクラホマ州の施設にいるリグス、灰色と白の毛の彼を保護した。そうして本来の飼い主を探したが。
「お亡くなりになってたよ」
「そうだったのね」
「うん、リグスがいなくなる時に事故でね」
 スティーブはポーラにカルフォルニアに戻ってから話した。
「それでリグスは逃げ出して」
「私達のところに来たのね」
「そうだよ」
 こう妻に話した。
「これがね」
「そうした事情だったのね」
「それでね」
 夫は妻にさらに話した。
「こうなったらね」
「新しい家族をね」
「探してあげよう」
「折角助かった命だし」
「そうしてあげよう」
 夫婦でこう話してだった。
 実際に夫婦でリグスの新しい家族を探した、すると。
 暫くして優しい狼好きの一家に家族に迎えられた、夫婦で暫くしてその一家を訪問してリグスに再会すると。
「クゥ~~ン」
「元気だね」
「そしてとても幸せそうね」
「助かってよかったし」
「幸せになってくれて嬉しいわ」
 二人で話すのだった、その彼を見て。
 スター夫婦はリグスの幸せを見てから暫くしてメーン州の狼や狼犬の保護施設であるウルブズ=オブ=メインという施設に招かれていた、そこで施設の創設者であるサラ=ハナフィン薄いブロンドの髪と黒い目を持つ整った顔立ちの彼女に施設の中とそこにいる狼や狼犬達を紹介されながら共に話していた。
「狼も狼犬もやはり犬とは違っていて」
「そうですね」
「その分保護が難しいですね」
「確かに犬は元々狼ですが」
 それでもというのだ。
「何かと難しいのは事実で」
「専門の施設をもうけられましたね」
「私達の様に」
「はい」
 その通りだとだ、ハナフィンはスター夫婦に答えた。
「設立しました、それで信頼関係を」
「狼や狼犬達と」
「それを築かれていますか」
「勿論彼等の習性はです」
 それはというのだ。
「常に学んでいまして」
「頭に入れていますね」
「そうですね」
「はい」
 まさにというのだ。 
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