置き去りにされても幸せに
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第一章
置き去りにされても幸せに
在宅ワーカーのエリザベス=パーカー長い黒髪ときらきらした黒い目を持つ整った顔立ちの白人の彼女はカルフォルニア州の新居に入ってだ。
夫のダンリー長身ですらりとした面長で茶色の短い髪の毛と青い目のサラリーマンの彼に対して家の庭を見て言った。
「まさかと思っていたけれど」
「本当だったね」
苦い顔でだ、夫は妻に応えた。二人の傍には黒の雄猫のジョーファスと白の雄猫ユミルがいる。夫婦で二匹を抱きながら話している。
「置き去りにされているね」
「犬がね」
「信じられないよ」
夫は茶色と白の雌のピットブル、庭の木につながれていて寂しそうな顔をしている彼女を見ながら言った。
「本当にね」
「そうよね、この家の前の持ち主の人達が引っ越して」
「僕達が入る時にね」
「犬と猫を置いていくと言ったけれど」
「嘘かと思ったら」
これがというのだ。
「まさかね」
「本当とはね」
「前の家族の人達はどれだけ酷い人達か」
「わかるわね」
「全くだよ、けれどね」
それでもとだ、夫は妻に言った。
「僕達は彼等と違うから」
「ええ、この子も隠れてるみたいだけれど猫の子もね」
「家族に迎えよう」
「そして大切にしましょう」
こう話してだった。
まずはその犬モリーという名前の彼女を木から解放した、そして彼女にご飯をあげて優しい声をかけて抱き締めた。
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