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星河の覇皇

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第八十四部第三章 円明園の会議その十八

「その国益次第で」
「今の様にですか」
「動きます」
「その立ち位置に不動はない」
「それが日本です」
 伊東かここでは明るく笑って述べた。
「中央政府の忠臣とも言われますが」
「下僕ではなくて」 
 日本の宿敵とよく言われるロシアのグリーニスキーがシニカルに述べた。この千年の間ロシアは日本と名にかあったからだ。
「忠臣ですか」
「はい、忠臣です」
「忠臣蔵の様な」
「まさか」
 伊東はここでは惚けてみせた。
「日本も日本の国益がありまして」
「それ次第で、ですか」
「連合の忠臣にもなれば」
「奸臣にもなる」
「敵です」
 伊東はそこは訂正させた。
「そうなります」
「敵ですか」
「奸臣になった覚えは一度もありません」
「中央政府に対して」
「過去何十、いえ何百もです」
「中欧政府の敵になった」
「ですが」
 それでもというのだ。
「日本はです」
「奸臣になったことはなく」
「敵になったことはあります」
「では」
「中央政府の敵ですから」
 それ故にというのだ。
「今はです」
「我々の方にいますか」
「そういうことです」
「そうですか、では信じていいですか」
「もしろ今まで信じていいですか」
「面白いジョークですね」
 グリーニスキーは伊東の今の言葉にシニカルに述べた、そして伊藤に対してこう言うのであった。やはりシニカルに。
「それはまた」
「ジョークを言ったつもりではないですが」
「いえ、政治的に充分はです」
「ジョークでしたか」
「はい」
 まさにというのだ。
「私はそう思うました」
「そのお言葉こそがです」
「ジョークですか」
「私にはそう思いましたが」
「いえ、それはです」
「違いますか」
「はい、この状況ではです」
 グリーニスキーは中国茶を飲みつつ伊東に話した。
「日本の賛成はです」
「よいと」
「そう思いますので」
「だからですか」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「日本の参戦をです」
「歓迎されますか」
「そして貴女も」
 伊東自身もというのだ。 
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