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ハッピークローバー

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第八十五話 兄に言われてその七

「いけないだろ」
「そう言われるとね」
「だからな」
「私もなのね」
「こうしたこともな」
「勉強しないといけないのね」
「してるよな、勉強」  
 雅之は妹に真面目な顔で尋ねた。
「お前も」
「それはね」
 留奈も真面目な声で答えた。
「してるわ」
「そのうえで彼氏さんともだよ」
「お付き合いすることね」
「誰だってそうしたことは好きでな」
「したいって思っていて」
「俺としてはな」
 また妹に言うのだった。
「本当にな」
「こうしたことはいいのね」
「妊娠とか性病に気を付けていたらな」
「寛容ね、やっぱり」
「お父さんやお母さんはどうか知らないけれどな」
 二人の両親はというのだ。
「俺はな」
「そういう考えね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「いや、よくドキュンが十代で子供作るな」
「あるわね、そんなこと」
 留奈も巷で聞く話を思い出して答えた。
「それでいい親御さんになればいいけれど」
「そのままドキュンでな」
「虐待とかするのよね」
「そういう連中はな」
「最低ね」
「ああ、子供いたらな」
 それならというのだ。
「ちゃんとな」
「育てないとね」
「駄目だろ」
「私もそう思うわ」
「やっぱり妊娠には気をつけてな」
 そしてというのだ。
「子供が出来たらな」
「ちゃんと親御さんになるべきね」
「それが義務だろ」
「子供が出来たら」
「もっともそんなことが考えられなくてな」
 それでというのだ。
「子供を作るんだろうな」
「ドキュンは」
「ドキュンって言うのはどうしようもない馬鹿と同義語でな」
 こう妹に言った。
「それでな」
「後先考えないで子供作って」
「そしてな」
「育児もなのね」
「まともにする頭も心もな」
 そのどちらもというのだ。
「ないんだよ」
「それで虐待とかもするのね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「ちゃんとな」
「勉強することね」
「こうしたこともな」
「そういうことなのね」
「お前も俺も違うだろ」
 兄はこうも言った。
「ドキュンとは」
「絶対違うわ」
 留奈は断言で返した。 
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